そんな母も、12月の大雪の朝、息を引き取りました。少し様子がおかしいので、手を握るとふっと大きな息をして、声をかけましたが、そのまま息を引き取りました。大雪で気圧が低かったからでしょうか。
それまで朝から晩まで付きっきりで介護をしていたのですが、次の日から全く何もすることがなく、また何をしていいのかわからなくなってしまいました。全てがはっきりとした意識がなく、走馬灯のように過ぎ、あとで考えると、あの時は、鬱病だったのだとわかりました。今思い出しても目はどんよりとし、焦点がはっきりしていませんでした。その後2年ぐらいその状態が續きました。毎日着ていたカウチンセーターを見ると少しほころびていました。もう20年も着ていました。糸が太いので、自分でも直すことができるのではないかと思い、編み物をはじめたのがきっかけです。当時NHKで、男の編み物とか、ニットカフェが放映されていたので、ニットカフェへいけば教えてもらえると思い、通い始めました。もうあれから10年もたちました。
編物はこれまで自分のやってきたことが色々生かされ、夢中になり、どんどんはまっていきました。そしてこれが生きていく軸といいますか、基盤となり、はっきりとどう生きていけばいいか、自覚することができるようになり、色々と世界が広がり、残りの人生を楽しむことが出来るようになりました。、大体これが、公演で話したものを短くまとめました。これから介護をやられる方のヒントに少しでもなればと思い書いてみました。