裸ん坊で待っているおとうとに

「お風呂が湧きましたよ~」

という母の声が届き

一目差で風呂場に行く

 

私は少し大人になっていたから

母と脱衣して一緒に浴室に入った

 

「かけ湯をしましょうね。」

 

という母の言葉も聞かぬ間に

おとうとはザブンと飛び込んだ

 

「わーい、わーい、菖蒲湯だ。

僕は勝負に強くなりまーす。」

 

とジャバジャバお湯をゆらしている