「はい、お母様。」

 

私は

越乃寒梅が入ったとっくりを渡す

 

「ありがとう。じゃあ、いきますよ。

お手伝い、よろしくおねがいします。」

 

「了解しました。」

「まず、二枚の昆布を広げます。」

 

所々

塩が残り雪みたいになっている昆布を広げ

とっくりの口を親指で塞ぎながら

まんべんなく酒をふっていく

 

「なんで、とっくりかというとね、

こうやってかけていくとね、

昆布もお酒が美味しいなーと思い嬉しくなってね、

お魚自身が美味しくなろうって思うのよ。」