最近、マーケティングの勉強をする事が多くなりました、ただ倫理観を疑いたくなる本もありますね。

その「家探し」の正体は、希望ですか? それとも不安ですか?の様な売り方、「今のうちに買わないと、一生マイホームは持てませんよ」

「老後のために、今から不動産投資で備えないと大変なことになります」

不動産のチラシや広告を見渡すと、そこには驚くほど多くの不安を煽る言葉が溢れています。

美しさを追求する整形、終わりなき年収アップ、過剰な教育、現代のあらゆるビジネスが「今のままでは不十分だ」と人々の不安を突き、商売に変えていく中で、不動産業界もまた、その大きな渦の中にいます。

今日、この業界に入り26年になります。この「不安と商売」のあり方について正直に書いてみたいと思います。

1. 不動産業界に蔓延する「煽り」の構造

不動産は、一生に一度の大きな買い物です。だからこそ、人は慎重になります。

その「慎重さ」を「決断」に変えるために、多くの営業現場では恐怖」がスパイスとして使われます。

• タイムリミットの提示「金利が上がる」「価格が高騰する」と焦らせる。

• 比較による劣等感「同年代の方はみんなこのレベルの家に住んでいます」と煽る。

• 将来への恐怖「空き家にしておくと罰金ですよ」「相続で地獄を見ますよ」と脅す。

もちろん、事実に基づいたリスクヘッジは必要です。しかし、本来「より良く生きるための手段」であるはずの不動産が、いつの間にか「誰かに負けないため」「損をしないため」の守りの道具になってしまってはいないでしょうか。

2. 「十分」を知ることで見える、本当の豊かさ

「もっと広く、もっと新しく、もっと資産価値が高いものを」

この「もっと」には終わりがありません。

豪華な設備、広いリビング、一等地の住所。それらを手に入れても、隣にさらに豪華な家が建てば、また新たな「欠乏感」が生まれます。これは、十分綺麗な人が整形を繰り返してしまう心理とよく似ています。

私たちが考えなければならないのは、自分たち家族にとって、何が『十分』なのかという基準です。

• 身の丈に合ったローンで、心穏やかに暮らすこと。

• 古い家だけど、家族の思い出を大切に受け継ぐこと。

• 派手な投資ではなく、身近な土地の困りごとを解決すること。

この「足るを知る」という視点を持ったとき、不動産選びは「不安からの逃避」ではなく、「自分らしい暮らしの選択」に変わります。

3. 「こころ」が通う不動産屋でありたい

私たちが大切にしているのは、お客様に「買わせること」でも「焦らせること」でもありません。

たとえ市場がどう動こうと、お客様が「今の生活の中で、何に幸せを感じているか」を一番に考えたい。アナログで手間はかかるかもしれませんが、お客様の不安に寄り添い、その不安を「安心」に変えていくことこそが、私たちの仕事だと思っています。

空き家の問題も、相続の悩みも、根底にあるのは「大切な場所をどう守るか」という切実な想いです。それを煽り文句で片付けるのではなく、一つひとつ丁寧に紐解いていく。

「不安を煽って売る」のではなく、「安心を紡いでいく」。

そんな、今の時代とは少し逆行するような、でも誰よりも誠実な不動産屋でありたい、そう思います。