熊除けの鈴

 

 

不純物と人工音のない森につつまれて  さあ戻るのだ、人に

 

ひかりのようにふってくる朝靄の明神池に熊除けの鈴

 

〈リーン〉イの母音が柔く響きおりまるで天上の音のごとくに

 

月の輪と付くけれど熊は熊なれば小梨平に警報の出る

 

出番ぞと熊除けの鈴とりだして(怖いけど見てみたい気のする)

 

〈蝶が岳〉蝶の飛ぶかと思いきや槍と穂高がドーンとバーン

 

鈴の音は消えてしまえど鳴りつづく名曲喫茶「ライオン」のごと

 

「失敗のできぬ年齢なのだから」と言うわたしの中の鈴は鳴り