いつかみた夢の空は

貴方との思い出が描かれていて

私の心は

今もまだ

広いキャンパスを相手に

筆を走らせている


いつか

君の見ている空に

その絵がかかるだろうか

悲しみを感じ


喜びを感じ


苦しみを感じ


幸せを感じ



こんなにも感じていることがあるのに


それはいつも胸の中で


どうしても外に出すことができない



とっても大きくて


とっても重い



透き通った蓋は


外を見せてくれるけど


外に出してはくれないみたい

卑しげに光る



赤く艶の良いそれは



彼女の心を激しく乱す



今にも口に含みたくなる衝動



口が、体がそれを欲している



理性など無かったかのよう





それを口にした



甘く暖かいそれは



欲望を満たすには十分で



体の痺れなど気付くまもなく



ただただ酔いしれている



こころなど無かったかのよう





見ていた貴方は



届かない声に涙を流し



扉を閉ざし、記憶を殺す



彼女の朽ちる姿はモノクロに



目に鮮やかな魔女の笑み



時間など無かったかのよう





約束のシナリオは



残酷に明かりを灯し



二人を実に美しく描いては



フィナーレに心を染める



物語を弄ぶ愉しみの末は



止め処ない欲望の闇のよう

オレのキャンパスには



花屋を営むロマンなオレ


ケーキ屋を営む可愛いオレ


バーを営む渋いオレ


あと8人くらいのオレがいる



どれも、いつか描いた夢の形



すげー優柔不断。


だけど、生気に満ちてるんだ。


だって、そんときは本気だもの。



たまに自分で、


いいねー


なんて思って調子こく。


んで、反省する時もある。



でも結局、それはそれで、いいじゃん。


って心ん中で言い訳がグルグル。



オレ=どっちつかず。


オレ=なんでもあり。(?


オレ=馬鹿。



意味がわからない。


それがオレのいいところかな。



さて、次はどんな夢を見ようか?




空はモノクロに広がり


いつもより重量感が増していて


どこか寂しげな夕日は


決して僕には届かない



夜を迎える冬の街は


ただただ寒さに震えるようで


胸から感情が姿を消し


僕の頭は空に埋まる



それは現実を拒むかのように


それは夢に縋り付くように



立ちすくむ僕は


暖かい闇を待っていた