治療のひとつに髄注がある。


髄液流れる髄腔内に抗がん剤を注射するもので、各クール二回。


今回は五回目になる。


はじめにシュシュ(主治医のあだ名)の名誉のために言っておくが、彼女は器用で、髄注も一発必中だ。


しかし、今回は違った。


嫌な予感はあたるもので、今回は入らない。


入らないと焦る。


シュシュの焦りが伝わってくる。


10回刺した段階で、お付きのナースに手話で「ドクターチェンジ、お願い」したが、手話を知らない人にとって、患者が悶絶しているくらいですまされた。


はっきり言うべきだったが、一体何回耐えたら赦されるか興味が出てきて、じっと数を数えていた。


27回目!


「入りました!」明るいシュシュの声…


27回かよ。頭の中では臨終時の讃美歌がリピートしていたよ。


終了して安静臥床中、主人や友人に報告した。


主人は「イエスキリストの39回の鞭より12回も少なくてよかったね」


……


別の馬場馬術をしている友人は、「三回以上は鞭振るうと失格なんだよね」


……馬以下。


しかし、なんとか終了した。


そして血球回復待って治療終了。


まあ、よしとしよう。


しかし、27回…