アダルトサイトについての相談が増えている。
国民生活センターへの相談件数は、1年間で10万件を超えた。
女性や高齢者の被害が増えているほか、1件あたりの平均被害額が27万円にもなっている。
今日の話題は、筆者のそのままの言葉で伝えますので、良く読んで、被害に遭わないようにしましょう
年間相談件数が10万件超、目立つ女性や高齢者の被害
国民生活センターが、4月23日に「アダルトサイトの相談が年間で10万件を突破! 」という注意喚起を出した。
2014年度の相談件数は約10万6000件で、過去最多の相談件数であり、国民生活センターに寄せられる商品・サービス別の相談の中でもっとも多くなっている。
特にスマートフォンでの被害が目立つ。
10万件の相談のうち、約4万8000件がスマートフォンによるものであり、全体に占める割合が過去最大となっている。
スマートフォンの普及に合わせ、犯罪グループがスマートフォン向けの詐欺サイトを増やしていることも影響しているだろう。
被害額も急増している。警察庁のまとめによれば、2014年中の架空請求被害は、史上最多の171億円(年度ではないことに注意)。
架空請求詐欺の多くが、アダルトサイト関連と思われるので、被害額が増えていることがわかる。
ちなみにオレオレ詐欺の被害額は174億円(2014年)であり、社会的に問題になっているオレオレ詐欺とほぼ同じ同額の被害が、架空請求詐欺で起きているのだ。
国民生活センターへの2014年度のアダルトサイト相談の特徴を見てみよう。
●女性の比率が増加。スマートフォンでの女性向けサイトが影響か
女性の比率は32.1%で、5年前の26.8%に比べて増加している。
特にスマートフォンで女性の比率が高く、38.5%となっている(2014年度)。
ここからは筆者の推測になるが、女性向けの成人コミック・アダルト動画サイトの影響がありそうだ。
女性は雑誌などの紙媒体・パソコンではなく、スマートフォンでこれらのサイトを見る場合が多く、そこに出ている広告やリンク経由で、アダルト詐欺サイトにひっかかってしまう。
男性は、アダルト詐欺サイトに免疫があることが多いが、女性は経験がないために脅迫的な請求に屈してしまうことがあるのだろう。
ある大学の教務担当者は「新入生のうち、女子学生からのアダルト詐欺サイトの相談がかなりある。
男子学生は高校生のうちに、架空請求の経験があるが、女子学生には免疫がないためと思う」と話している。
●高齢者被害は5年前に比べて3倍弱増加
60歳以上の高齢者は、全体の21.3%。5年前は7.6%だったから、3倍弱増えていることになる。
国民生活センターでは高齢者の被害が増えているため、リーフレットなどで警告を出している。
被害例では「パソコンで湿疹の薬を検索していたところ、アダルトサイトにつながった。無料と書いてあるのでクリックしたら、登録完了と出た。請求画面が消えずに困っている」という相談があった(思わぬ落とし穴!?高齢者にもアダルトサイトの請求トラブル:国民生活センター )。
検索などで間違ってクリックしてしまうパターンが多そうだ。
●1件あたりの平均被害額は何と27万円
相談した人のうち、お金を払ってしまった人は3800人にも及ぶ。
平均被害額は驚くことに、1件あたり約27万円にもなっている。ここ5年間で最大の平均被害額だ。
推測だが、犯人グループはより脅迫的な請求(スマートフォンで繰り返し請求画面表示など)を行いながら、個人情報を収集しているように見せかけ、高額な請求を行っているのだろう。
スマートフォンは、パソコンに比べて個人情報がつまっているだけに、ビックリして高額な請求でも払ってしまう人が多いのではないかと思う。
「キャンセル」「割引」にだまされるな。連絡しない・払わない・無視が3原則ですよ
この連載で、アダルト詐欺サイト・ワンクリック詐欺・架空請求詐欺の手口を何度か紹介している。最近目立つ特徴的な手口を見ながら、対策を紹介しよう。
▲「キャンセルにはサポートセンターへ」「退会申請」は電話番号収集のワナ
高額請求の下に「身に覚えのない方は、サポートセンターへご連絡下さい」と書いてあるパターンが多い。
これは犯罪グループのワナで、サポートセンターと称して、あなたの電話番号を収集するのが目的。
電話すると脅迫的な請求をされるようになるので、絶対に連絡してはいけない。
「退会申請」や「割引するので連絡を」も同様だ。
▲芸能人の無料動画サイト、無料の成人コミックサイト、釣り記事は詐欺を疑え
アダルトではない一般サイトから、アダルト詐欺サイトへ誘導されることもある。特に芸能人・アイドルの動画、またはスキャンダルめいた
間違ってクリックして「登録完了」などと出ても慌てないように。詐欺なので無視すればいい。
▲シャッター音、電話画面になっても慌てない
以前の記事「シャッター音・強制電話のワンクリック詐欺:サイバー護身術 」で紹介したように、請求画面の表示と同時にシャッター音がするものもある。
写真を撮ったように見せかけるだましなので無視すればいい。
また、電話をかける画面になっても慌てないように。上記の記事で直すことができる。
▲SMS(ショートメッセージサービス)の架空請求に注意
最近増えているのが、SMSの架空請求だ。
スマートフォン向けに有料ゲームサイト・アダルトサイトなどの架空請求メッセージが送られてくる。
SMSでの請求は、ほぼすべて詐欺だと考えていい。
▲対策は「連絡しない」「払わない」「無視」の3原則
高額な請求が来たり、登録完了などの画面が出たりしたら、詐欺だと考えること。
何があっても電話やメールで連絡してはいけない。
少額でもあっても払うのは最悪の行動で、それ以降「詐欺のカモリスト」に載ってしまうことになる。
何があっても無視することが大切だ。
ちょっとでも不安に思ったら、国民生活センターへ電話などで相談しよう。各都道府県の国民生活センターの電話番号は「全国の消費生活センター等
」で確かめること。また、国民生活センターを