5月15日は、Jリーグの開幕から20周年のメモリアルデーとなります。

1993年にJリーグ開幕戦のヴェルディ(現東京V)―横浜M戦が国立競技場で行われた日で、「20歳の誕生日」にあたるのです。

その試合にも出場した現役最年長選手、J2横浜Cの元日本代表FW三浦知良(カズ)(46)が、思いを語ってくれています





Jリーグが始まった93年は、人気は本当にすごかったと思う。

ただ、なぜ人気があるのかははっきり分からなかった。
サッカーの魅力というより、流行、はやり物として見られている部分があったのでは。

今は、クラブの社会的な役割が増え、20年前よりも地域性が明確になってきている。
 

横浜Cなら、横浜市内の学校で授業をするほか、サッカースクールをしたり、商店街に行ったり。地域の人とふれあう活動が多くなったし、健全な社会を作るために、スポーツの持つ力、サッカーの持つ力が必要とされていると感じる。


子どもたちが夢を持てるように、(選手たちは)「ああいうふうになりたい」と思われる存在でなければいけない、というところが、20年前とは違うんじゃないか。




2011年の東日本大震災の復興支援チャリティーマッチ(3月29日の日本代表―Jリーグ選抜=大阪長居スタジアム。カズ自身もゴールを決めた)では、特にその力を感じた。


サッカーファミリーが一丸となって行動を起こすことができた。

海外の日本代表選手や、Jリーグの現役、OBのみなさんが集まり、募金などの活動もした。

当初は自粛ムードもあり、僕らがサッカーの練習、試合をやっていいのかどうかと考えたが、いち早く試合開催を決断できたのは素晴らしかった。

Jリーグでたくさんの人が経験を積み重ね、みんながサッカーが持つ力に自信を持っていたからだと思う。




サッカー文化が根付くという意味では、選手だけが潤ってもだめ。

僕がブラジルから帰国した時は、選手はサッカーでメシを食えたけれど、周りのスタッフは収入も厳しかったと思うし、そもそもサッカーに関わる職業が少なかったと思う。


今はサッカーを中心にした色々な職業がある。

20年でこれだけ発展を遂げたリーグって、世界的にもあんまりないのでは。

これだけの発展は、真面目さと勤勉さという日本人の力があったからで、誇れるところ。




ただし、これで満足しちゃいけないし、まだ何かに到達したわけでもない。

ワールドカップ(W杯)で何度も優勝しているブラジルでもイタリアでも、到達地点なんかないと思う。

どこまで頑張ればいいのか、人生と一緒ですが。




サッカー界は、W杯が頂点にあり、4年ごとの周期で各国の代表がそこを狙っている。

W杯で勝つためには、自国のリーグが充実しないといい選手が出ない。


日本代表強化のためには、Jリーグが本当に大事になる。(クラブの)育成の部分、ユース、ジュニアユース、スクールもそう。

リーグ自体のレベルを向上させながら、これから先、さらに20年、30年と、みんなの夢をどれだけ広げていけるかが大切だと思う。




さすがに20年、Jリーグだけではなく、サッカー界全体を引っ張ってきた、影響を与えてきたカズの言葉には重みがあります。


野球も当時はサッカー人気に押されて、停滞気味になりましたが、やはり長年の歴史の積み重ねは崩れることなく、今はまた復活しています。


いろいろな問題が噴出した相撲界も、復活してくるでしょう。


長きにわたり、人々に愛されたものは地盤が強いです。


サッカーも一時、人気が止まった感がありましたが、ワールドカップへの出場などで、また盛り返してきましたね。



それぞれのスポーツには良いところもあれば、改善しなくてはならないところもあります。


それぞれのスポーツ界が発展するよう、よいところは取り入れていってほしいですね。






 ◆みうら・かずよし 1967年2月26日生まれ。静岡県出身。82年、15歳でブラジルに渡り、名門サントスFCなどで活躍。90年に帰国し、読売クラブ入りした。日本代表では国際Aマッチ89試合出場55得点。Jリーグでは13日現在、通算494試合出場、155得点。身長1メートル77、体重72キロ。





(2013年5月14日 読売新聞)


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