夜明け前の鶏の鳴き声は、体のなかで時を刻む「体内時計」によって調節されているとする研究成果を、名古屋大のチームがまとめ、米科学誌に発表した。
「コケコッコー」のきっかけを実験的に明らかにしたのは初めてという。
吉村崇教授と新村毅研究員は、12羽の鶏を3組に分けて室内で飼育。
最初の2週間、12時間ごとに点灯と消灯を繰り返したところ、鶏は点灯の約2時間前に鳴き始めた。
次の2週間は1日中薄暗い条件で飼育したが、鶏は23.7時間の周期で鳴き、一定のリズムを維持することがわかった。
鶏は光や音の刺激を受けた時も鳴くが、早朝の時間帯が鳴きやすかった。
外からの刺激による鳴き声も、体内時計で調節されている可能性が高いという。
沼田英治・京都大学教授(動物生理学)の話として、
「『時を告げる』と言われるほど、よく知られる鶏の鳴き声と、体内時計の関係が明確でなかったとは驚きだ。そこに着目して科学的に解明した、意義のある研究だ」
と話しています。
(2013年5月5日 読売新聞)
ニワトリの鳴き声は体内時計に
調節されていることがわかった。