袋入り即席ラーメンの販売が好調だ。
東日本大震災直後に保存食として見直されたタイミングをとらえ、製麺各社が生麺の食感を再現する新製法の商品を投入し、人気に火が付いたのです。
主婦の節約志向の高まりも追い風となり、各社は生産設備の増強に乗り出したようです。
昨年8月に関東地方などで地域限定で発売した袋麺「日清ラ王」は、「特売なしでも売れています。
生産が追いつかない」(日清食品の中川晋社長)状態が続く。
3層構造の麺で、生麺特有の芯のコシと表面の滑らかさを再現した。
カップ麺では導入済みの技術だったが、袋麺は煮込む分だけおいしさをより引き出せるということ。
商品投入時には、自社のカップ麺との客の奪い合いも懸念されたが、持ち帰り総菜や外食などの需要を取り込んで、主婦層にも大人気だという。
同社は昨年末に生産設備を増強し、3月25日には全国販売を開始する。
今夏にはさらに増強し、年間生産能力を3億食に引き上げる。
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生麺風製法で先陣を切ったのは、2011年11月に発売した東洋水産「マルちゃん正麺」で、発売後1年で2億食を販売した。
同社も15億円投じて設備を増強し、年間3億食を目指すということです。
サンヨー食品も「サッポロ一番 麺の力」を昨年9月に発売し、攻勢をかけるという。
日本即席食品工業協会によると、袋入り即席麺の生産量は1972年度の37億食がピークで、2010年度には16・8億食まで減少した。
より手軽なカップ麺に押されたためだが、11年度は17・7億食に回復。
12年度は19億食、13年度は20億食を見込むなど右肩上がりの成長を続けており、新製法の導入で即席麺市場が息を吹き返した格好だ。