安藤勝美 国際法 短歌 俳句
?トップ
著作リスト 安藤 勝美
私が25年間研究していたアジア経済研究所は,地域研究が主であり,
私もアフリカ研究班に属していた.
研究所では担当地域も専門も各自の地域と,さらに経済学,社会学,
政治学などの専門を持つようになっていた.
しかし私の専門とする法律特に国際法は,そこでは異質な学問と思わ
れたかもしれない.そのため,法律や
国際法の専門用語もすべての人が読みやすいように,
また主題と地域との関連性の強調など,地域研究ならではの研究の
仕方や論文の書き方が求められた.
最初はこのような研究方法には抵抗があったが,国際法も結局は
具体的な地域をもった国家を対象とし,
また主題とする国家や人権もそれぞれの地域の歴史,宗教,風土と
密接に関係している.
したがって国際法と具体的な地域研究の融合は,新しい国際法の研
究となりうると考えた.
そこでは地域の具体的な特性,たとえば植民地化の歴史と独立の過
程,宗教,伝統的な政治・経済体制,
そしてさらに独立に伴うさまざまな政治.経済問題特に法律問題が重
要な研究課題となった.
その点で国際法専門の特に解釈法の立場に立つ友人には私の研
究方法はよく批判されたが,
私は法とは当該国際社会の政治的・経済的要求に対応するものとの
立場から,法成立の社会的背景を分析することにした.
従って特に途上国と国際法の関係では,法は経済・政治と密接に関
係があり,先進国中心の国際法研究とは異なるものと考えた.
以下はそのような観点からの私の研究論文である.まだまだ不十分
な分析であるが,一つの新しい方向を求めての研究である.
著作リスト
Ⅰ研究論文(一部のみ・目下作成中)
(1)国際法と地域研究に関する論文
1 「モロッコ憲法に関する一考察」 『アジア経済』 7巻12号
1966年112月.
(独立に伴う主権・王制・イスラム教との関係)
1 「経済自立の法的側面ーアルジェリアを中心に」
『アジア経済』 9巻1号 1968・1
(独立という政治主権に伴う経済主権の確立について)
1 「イスラム国家の性格と世俗化ーアルジェリア・モロッコ両憲法を
中心に」
『東洋学術研究』 5巻11号 1967・2.
(社会民主主義国家と王制の国家における民主化とイスラムの
世俗化の問題)
1 「石油ナショナリズムと経済主権の確立ー現代アラブの政治思想
の表現としてー」.
『東洋学術研究』 6巻2号 1967・5
(アラブ諸国の資源ナショナリズムが経済主権の確立にいかなる
機能を果たしたか.また経済主権の法的性格について)
(2)「発展の国際法」に関する論文
60年・70年当時は資源ナショナリズムの時代なので,国家の独立
とその実質化を促す経済自立の課題が大きい.それに伴う先進国
のコンセッションの改廃,国際経済法秩序の形成に関する論文が多
い.現地調査による研究成果.
1 「アラブにおける植民地化とその影響」 『東洋学術研究』 6巻8号.
1967・11.
(植民地化はアラブ諸国にいかなる影響を与えたか.とくにイスラム
法に対するヨーロッパ法の影響について)
1 「アルジェリアの国有化政策」 『アフリカ研究』 9号 1969・11
(伝統的国有化の補償原則に対する途上国の新しい補償原則の検
証.現地調査の結果)
1 「アルジェリアの鉱業政策の特質」 『アジア経済』 11巻2号
1970・2
(国家の経済開発の基礎を鉱業開発とするアルジェリアの経済政策
は,途上国の開 発政策の一つの典型である.その鉱業政策
と「天然資源に対する恒久主権」との関係)
1 「コンゴにおける鉱業コンセッション制度の変化」
『アジア経済』12巻3号,1971・3
(国連総会決議「天然資源に対する恒久主権」の実際的適用.現地
調査による)
1 「アフリカにおける経済協力の問題」『海外事情』 20巻11号.
1972.11
1 「アフリカ諸国への経済協力の現状」上・下 『月刊アフリカ』
1972ー12.73ー1
(以上の二つはアフリカに対する日本の経済協力の現状分析.
日本の援助の特色.援助の経済的・政治的効果について)
1 「イラン石油政策の展開」 『資源開発の法的諸問題』
アジア経済研究所.1974
(イランの石油政策の展開と特色.特に石油協定の法的性格
・・条約か国家契約か・・について)
1 「石油ナショナリズムとその展望」 『民族文化』 10巻2号
1974.10
(民族主義の一つの経済的表現としての石油ナショナリズムに
ついて,その政治的,法的分析)
1 「経済開発協定と国内化の法原則」 『国際法外交雑誌』
84巻1号.1985.4
(経済開発協定は,先進国は国家契約として何らかの国際法的
な拘束性を持たせようとするが,途上国は国家と企業の契約は
国内法であるとするその問題点について)
(3) 多文化社会と国際法
1 「多文化社会と規範の複合性」 『国際学研究』
(明治学院大学国際学部)3号.1988.12
(国際法はヨーロッパ文明を基礎とした法体系であるが,現代は
多文化社会であり,途上国はそれぞれの文明を主張している.
現代の多文化社会における国際規範の形成について)
1 「発展途上国の権利請求と国際社会の変化ー開発と環境および
人権との調和」
『広島法学』 17巻2号 1993.
(途上国はさまざまな国際秩序の変革要求をしたが,それらの要求
は冷戦解消後停滞し,また先進国によるあらたな国際秩序形成の
中で変容している.しかしその主張の正当性は失われていない.
途上国は開発や国際秩序の変容についてなおその変革を主張し
ている)
1 「国際組織と南北問題ー国際会議にみる対立と協調」
『国際問題』 1996.11.
(1990年代初期に環境,人権などに関する国際会議があいついて
開催された.しかしこれらの個々の問題についても南北の主張の
対立がみられた.その検証と問題点を指摘する)
(4) 福祉国際社会と国際法
1 「福祉の国際的拡大と援助」 『福祉国際社会構築のための総合的
パラダイムの考察』991.3 科研成果報告 研究代表・馬場伸也.
武者小路公秀
(国際社会における公正の実現のために,福祉と援助の関係を考察
する)
1 「国際社会における福祉と援助の法的考察」
『法学研究』 (明治学院大学法学部)第608号 1998.3
(援助は国際的な権利義務関係ではない,単なる恩恵としての行為
である.しかしこの貧富の差が拡大し,環境が破壊され,人権が侵
害されている社会では,国際社会を福祉国際社会として援助の機
能と法的性格を再構成する必要がある.その理論的考察)
1 「福祉国際社会の構築と援助の機能」 明治大学法学部資料センタ
ー・『研究・講演資料集No.32・33合併号1998.3
(今後の国際社会のあり方として,国内福祉を国際的に拡大した福
祉国際社会が考えられる.そしてその手段として国際援助の機能
を考える.特にその援助の法的性格について)
Ⅱ 著作
(1) 国際法と地域研究
1 安藤著『アルジェリアの石油開発協定・経済開発協定の事例研究』
アジア経済研究所 1978年
(アルジェリアの独立と石油資源の帰属問題.エビアン協定.フランス
との新しい石油開発協定の特質.独立と国家資源の帰属問題)
1 「クエートの参加問題と参加の意義」 安藤勝美編『中東産油国の
資源主権』 アジ研 1975年
(70年代の石油ナショナリズムの一つの動きとして,クエートの石油
資源の帰属問題と開発の法形態について)
1 「イランと国際石油会社の地位の変化ー石油開発方式の変遷を通し
てー」 安藤勝美編『多国籍企業の規制と対応』 (1)・(2)
アジア経済研究所 1976
(資源ナショナリズムの高揚に伴い先進国の多国籍企業との法的
問題が多くなる)
(2) 「発展の国際法」
国家と企業間の契約の法的問題は国家間の条約と異なる契約的
性格(国家契約)の問題と考えられた.その法的性格についてはま
た国際法が適用されるか否かの問題がある以上の問題につて国
際的論争があった.その当時の論文.
1 「発展途上国鉱業法の基本原則ー国家と地下資源の法的関係」
安藤編『発展途上國の鉱業法ーその原則と事例研究ー』
アジア経済研究所 1977
(国家と地下資源の関係につては,国家所有説,個人所有説など
がある.先進国と途上国の実行と学説を通して,途上国における
資源所有の法的性格,すなわち天然資源に対する恒久主権の性
格を分析する)
1 「新国際経済秩序における国家の発展の権利」 安藤編『新国際
経済秩序と恒久主権』アジア経済研究所 1977
(NIEO形成の中核的権利は「国家の発展の権利」であり,その法的
性格について分析した.特にその「発展」の権利の国際的発展過程
について,それが西欧の近代国家が本来的に所有していたものと分
析する)
1 「経済開発協定の不安定要因と安定化要因」 安藤編『経済開発協定
の法的諸問題』 アジア経済研究所 1985
(経済開発協定は国家と外国企業の国家契約かあるいは私的な契約
か,その性格が曖昧なために起こる法的問題について)
1 「外國投資ー外国人財産ーの保護と規制に関する法原則」
安藤編『発展途上国と国際法制度の変革』 アジア経済研究所
1986
(外国投資すなわち外国人の財産の国際法上の保護原則さらにその
収容や国有化の補償原則の変化について,法的問題点を分析した)
(3) グローバリズムと地域主義
1 「地域主義の法的機構と政治的機能」 安藤編『地域協力と法ー
アジア,ラテンアメリカ地域主義の現代的意義』
アジア経済研究所 1994
(グローバリズムが唱えられる一方で,文化や地域の共通性を基に
した地域主義が発達している.両者はどのような相互作用をする
のか,その法的問題を分析する)
Ⅲ 共著
(1) 経済自立と地下資源およびその国有化
1 「経済自立と資源の国有化政策」 星昭編『アフリカ諸国における
経済自立』
アジア経済研究所 昭和44年
(政治的独立には経済的な自立という裏付けが必要である.その
ためには外国人が所有してきた自国資源の所有権の国有化が
必要である.その手段としての国有化の機能と法的問題について)
1 「ザンビアにおける銅鉱業国有化」 矢内原勝編『アフリカナイゼー
ションの意味と現実』 アジア経済研究所 昭和48年
(60年代のアフリカの年は,いかに経済的自立の土台を造るかが
課題であった.そのために資源や経済的施設のアフリカナイゼー
ションが行われた.本論はザンビア経済の中核であり,国家予算
の90%をしめる銅鉱業の国有化と経済自立の関係を分析した)
1 「海外鉱業開発と鉱業法」 斉藤優編『海外資源開発の実務』
ダイアモンド社 昭和54年
(国家と地下資源の法的関係についての歴史的分析)
1 「国家と地下資源の法的関係ー恒久主権の法的側面」 吉岡・相原編
『鉱物資源開発戦略の方向』 アジア経済研究所 昭和55年
(ウエバーの理論を基に国家とその地下資源の関係を分析.主権の
物的基礎として資源とその法的理論の展開過程について)
1 「ナイジェリアの現地化とその法的側面ー国有化との比較研究ー」
藤森英男編『発展途上国の現地化政策』 アジア経済研究所
昭和63
(国有化とちがって現地化は緩やかな自国化の政策である.その
比較研究)
(2) 投資問題
1 「国際投資の国際的保護と途上国の規制ー国際二重投資規範の
背景」
藤森編『発展途上国の現地化政策の評価』 アジア経済研究所
平成元年
(先進国の投資自由化に対して途上国は経済主権の確保のために
外国投資の規制を行うが,本論は両者の合弁形態など規制と誘致
の相克を問題とする)
Ⅳ 翻訳
1 ジャック・ロベール「現代マグレブの政治的変容」 『アフリカ研究』
日本アフリカ学会 第5号 1967
1 ジャン・ドレッシュ「西アフリカの農民」 『アフリカ研究』 日本アフリカ
学会。 第6号 1968
1 フオーテス.プリチャード著 共訳『アフリカの伝統的政治体系』
みすず書房 1972
1 フオーセット.パリー著 安藤他共訳 『国際経済紛争と法』
学陽書房 1984
1 その他国連資料の翻訳.数冊
