ノーマン・デイヴィスが書いたワルシャワ蜂起についての本を読んだ。その最後の章「中間報告」に、ワルシャワ蜂起の特徴を端的にとらえた譬え話があったのでそれをそのまま紹介しようと思う。

 


 

 最後に警え話をして締めくくることにしよう。一人の男が犯罪者集団と闘うために川の中に踏みこんで行った。なぜなら、その犯罪者たちは長年にわたって彼の家族を殴りつけ、殺害し、辱めてきた連中だからだ。男は犯罪者たちを法に照らして処断することを誓い合ったチームに属していた。チームの指導者たちはメンバーの全員が男に協力することを約束していた。男が行動に出ることを選んだのは、強力な「友人の友人」が対岸に現れて手助けしてくれそうに見えた瞬間だった。ところが、事は上手く運ばなかった。犯罪者たちは逃げるどころか、反撃してきた。彼らは策略を弄して男を窮地に追い込み、男の親族を虐殺した。しかし、「友人の友人」は動こうとしなかった。男はもがき始めた。チームの指導者たちは川岸に立ち、対岸の友人に救援を呼びかけた。しかし、その叫び声は混乱し、真剣さを欠いていた。対岸の友人は依然として動こうとしなかった。繰り返し助けを求めても反応はなかった。ついに、一人の救援者が水の中に入ってきたが、すぐに彼自身も窮地に陥った。長い闘いの末、犯罪者たちは男の喉を絞め、水面下に押し込んだ。男は溺死した。さて、責められるべきは誰か? 褒められるべきは誰か?

 

ノーマン・デイヴィス著 染谷徹訳 「ワルシャワ蜂起1944 悲劇の戦い」