かかりつけ病院の医師は、なんでこんなことになったのか、と長男に聞いた。

 

長男の返事は私との会話の内容とほぼ変わらず、「いや、特に。理由はないです。」というものだった。

 

何を聞いても特にオーバードーズにつながるような話は出てこない。

 

「お母さん、言い方悪いですけどね、いつもこんな感じですか?飄々としてるというか、つかみどころがないというか、なんというか。」と聞かれた。

 

「そうですね、まあいつもこんな感じです。あまり感情を表に出さないという感じです。」と答えた。

 

すでにこれまでにいろいろな種類の精神薬を試してきていて、今回も特にはっきりした理由も見当たらない。何度もため息をつきながら「困ったなぁ。もう、これしくらいか出せる薬がないなぁ。」と言って医師が処方した薬はADHDの薬だった。普段の行動を見ている限り、ADHDの兆候は感じないけれど、衝動的に薬を飲んだと判断したことに対する処方だったのだと思う。

 

「お母さん、あと何かありますか?」と聞かれたので、このまま一人暮らしのアパートに置いていくのは心配だと話す。

 

退院するときに、しばらく実家に帰ってきたらどうかと話したけれど、本人は嫌がっていた。医師は「そりゃそうですよねぇ。ここは、お母さんの顔を立てて、少しご実家に帰ったらどう?」と話をしてくれ、長男も渋々納得した。

 

診察後に改めて、一緒に実家に帰ろうと話をすると、サークルの予定が入っているのでそんなに長く帰るのは嫌だという。私としてはいっそ大学はしばらく休学して、数か月は連れて帰りたかったのだけど、本人の意思を無視するわけにはいかない。間を取って、サークルの予定までは実家で過ごすことになった。