■■■初心忘るべからず■■■


 初心忘るべからず

イメージ 1<節木増という女面>聞き飽きた言葉かもしれませんが、調べてみると「世阿弥」の言葉であったことがわかります。

室町時代の能楽のスーパースターである「世阿弥」が長男の観世元雅(かんぜもとまさ)に伝えた門外不出の秘伝「花鏡(かきょう)」の結び、奥段(おくだん)の項に「初心忘るべからず」の表現が見られます。

花鏡では、「初心忘るべからず」の言葉を3つの段階に分けて金言としています。

イメージ 2<童子という面>まず、第一に「是非の初心忘るべからず」これは芸を始めた若年の初心を意味し、芸の上達過程のスタート位置を忘れるなということを意味のようです。

イメージ 3<河津/蛙という怨霊の面>第二に「時々の初心忘るべからず」これは、30代の盛りの頃にその芸の種類・位に応じ、その時々にあった初心を忘れるなということ意味します。

イメージ 4<黒式尉という翁面>第三に「老後の初心忘るべからず」老後の年代に適した役柄・演技の修行(翁とは限りません)をする老後の初心であって、場合によっては演技らしい演技をしないことが演技の方法であると説いています。


つまり、広く世間でいう「初心忘るべからず」という言葉は入学や入社の初心に引用しますが、世阿弥のいう初心はそれぞれの芸の段階における座標軸を意識してステップアップしろという意味で、人生の試練の時に、どうやってその試練を乗り越えていったのかという経験を忘れるなということのようです。


イメージ 5<一角仙人の面>

教訓
○ 初心忘るべからずの初心はステップの座標軸