1)概念:出生時、関節包がゆるみ、大腿骨骨頭が関節包をつけたまま関節外に脱臼した状態。
女児に多い。成因として、逆子(=骨盤分娩。正常は頭位分娩)、股関節周囲の靱帯の弛
緩、子宮内での体位が原因とみられている。
日本では、25 年前までは、赤ちゃんの1 %にみられる、かなり頻度の高い疾患だったが、
現在は、育児法の改善(予防運動)にともなって、0.3 %にまで減ってきている。
2)症状・所見
①新生児・乳児期
a)バーローテストBarlow test(+)
母指で小転子を押さえて骨頭を後方かつ外方に押さえる。
この手技で骨頭が脱臼(クリック音がする)すれば股関節の
不安定を意味する。
b)オルトラニテストOrtolani test(+)(オルトラニクリックサイン、クリックサイン)
膝を包み込むようにして開排させると小さなクリック音を感じるものが陽性。
c)アリスサインAllis sign (+)
仰臥位で両膝を立てたとき、脱臼側の膝が健側に比べて低くなる。
d)スカルパ三角の空虚
スカルパ三角を押圧すると、健常者では大腿骨骨頭を触知できるが、先股脱患者では骨
を触知できず、空虚に感じる。
北九州市八幡西区折尾の中野整骨院
