こんばんは。

 

こちらは、昨日あたりからぐっと気温が下がり過ごしやすくなりました。

 

 

 

 

さて、少し前になりますが、『至福のレストラン  三ツ星トロワグロ』を観ました。

 

94歳のフレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー映画です。

 

 

この映画は、上映時間が約4時間ということで、少々ためらいもあったのですが

 

まるで車窓風景を眺めているような心地よい時間で、それほど長さを感じませんでした。

 

(間に10分程度の休憩時間がありました)

 

 

 

 

 

 

 

自然に囲まれたフランスの村ウーシュ。パリから列車を乗り継いで4時間あまりのところ。

 

そこに、1930年に創業し、4世代にわたり家族を中心に経営を続け、55年間ミシュランの三ツ星を持ち続けているレストラン「トロワグロ」があります。

 

 

世界の美食家たちが生涯に一度は訪れたいと夢見るレストラン。

 

その魅力に迫るドキュメンタリー映画です。

 

 

 

 

 

 

おおよそ、私には縁のないフランスの高級レストランの舞台裏なわけですが、

 

私はドキュメンタリーものが好きで、中でもレストランや“食”にまつわるものが大好き。

 

なかなか体験できない、見ることのできない舞台裏だからこそ見てみたいとワクワクします。

 

ワイズマン監督のドキュメンタリー映画も『パリ・オペラ座のすべて』『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』などを観てきましたが、途中でうとうとしてしまったり、長いなあ…と感じるものもあったのですが💦

 

この映画は最後まであきずに楽しく観ました。

 

 

 

 

 

メニューの考案、厨房の様子、買い出しや牧場、チーズ工場へ出向く姿、食事風景、ゲストとの会話、スタッフとのやりとり……

 

細かいカットの切り替えはなく、ワンシーンをしっかり長く見せる手法。

 

映画全体を通して、食と人とに真摯に向き合う誠実さを感じました。

 

そして、あくなき食への探求心は、美や生き方、幸せへの探求心と同じなんだなあと感じました。

 

 

 

 

一番印象的だったのは、やはり料理人たちの働く厨房の風景です。

 

ガラス張りで外の自然を感じることのできる明るくて広々とした厨房は、整然としていて美しい。

 

そして、活気や緊張感がありつつも、どこかゆとりのようなものが感じられます。

 

よく忙しい厨房でありがちな?ちょっと殺気立ったような雰囲気や怒声を聞くような苛立ちがなく、落ち着きが感じられました。

 

それが自信と信頼の証しのように思えました。

 

 

 

 

お喋り好きな三代目ミッシェルは、フランクにゲストと会話をし、時に料理がテーブルに出されても話し続けたりして

 

こちらがヤキモキしたり…笑

 

垣間見れるこだわりや人生観は「トロワグロ」の真髄なのだろうなあと思いました。

 

 

 

 

私は、冷めた人より熱い人が好きです。

 

止まらなくなるくらい語れる熱量が微笑ましく、すごいなあと思ってしまいます。

 

情熱を注げるものや好きで夢中になれるものがある人は幸せだなあと思います。

 

そして、たとえ自分にそういうものがなかったとしても、そういう人に冷めた目を向けるより

 

その熱量を楽しんで眺められるような人でありたいなあと思います。

 

 

 

ところで、ミニシアターはなかなかの人の入りだったのですが

 

私の隣りの席のご年配の女性は、ちょこちょこ小声で突っ込みを入れながら、まるで自宅のリビングで観るように楽しそうに観ていらっしゃいました。

 

たまにお見掛けする、この突っ込み型の映画鑑賞って若い人にはいない気がするのですが、これって無意識のうちにやってるのでしょうか…?

 

もしかして自分もやっていたりして?…とふと思ってしまいました。

 

 

 

フランスの食文化やパーマカルチャーへの取り組み、「トロワグロ」と日本料理との繋がりなども知ることができて楽しかったです。

 

 

高級レストランの贅沢なひとときをスクリーンを通して味わいながら、人生の“至福”に想いを馳せるよき時間でした。

 

 

 

 

お付き合いくださりありがとうございます。

 

 

明日もどうぞよい一日でありますように💛