ガソリンスタンドでバイトをしていた。

当時20歳で、バイト先で童貞だったのは俺一人だけで、毎日のように童貞をイジられていた。

そして、こんな事を先輩から言われていた。

 

「このまま童貞だと、ヤル時に入れる穴を間違えるぞ(笑)風俗で卒業しておけ(笑)」

 

そんなわけが無い。

俺はavで知識はある。

そんな初歩的なミスを俺がするわけがない。

そう思っていた矢先、事件は起きた。

 

原付バイクに乗った、初老の男性が「おい!にいちゃん!給油してくれ!」とお願いされた。

当時俺がいた、スタンドはセルフサービスのため、基本的にバイトが給油することはできない。

だが、暇だった俺は給油を手伝うことにした。

どうやら新車で買った原付で給油方法がイマイチ良くわからないとのこと。

エンプティランプ(ガス欠ランプ)が点灯していたから給油しに来たとのことだった。

 

俺は、シートをあげてOILと書かれてる蓋を開けてそこに給油をした。

 

100mlしか入らない。

原付を詳しく知らない俺でも、これはおかしいと悟った。

 

完全に入れる穴を間違えていた。

 

店長に死ぬほど怒られた後言われた言葉

 

「風俗行って入れる穴を確認してこい」

だった。

枕元にちっちゃいゴキブリが現れ、

俺は発狂した。

夜中1時、ティッシュだらけの部屋を必死になって掃除をした。

 

「明日俺ん家くるってさ。君がいきなり言うからさ。こんな時間から掃除」なんて、楽しいものでは無い。

たった1匹の小さなゴキブリを潰して安心して就寝したいだけだったが、結局発見できず、

その日は一睡もできず、次の日にホー●メイトへ向かった。

 

ゴキブリがいる部屋は絶対に嫌だった。

子供部屋おじさんは嫌だった。

それと、一人暮らしを始めればモテるんじゃないか?っていううっすらとした期待があった。

 

小さなゴキブリが背中を押してくれたのだった。

 

ホー●メイトで不動産知識が一切無い俺は、とりあえず赤裸々に今の月収を伝え、家賃を決めてもらい、

唯一譲れない「駅近」という条件で物件を探し、内見に向かった

3件程内見の予定だったが、

 

1件目で俺は運命を感じた。

 

俺はこの部屋で新たな才能が芽生え、人間性が大きく変わり、何かしら発明をする・・・。ついでに童貞も卒業する。

これは予感じゃ無い、確信だと。

 

ずっと平成にいた俺は、少し遅れて令和に行く事ができると確証した。

 

ホー●メイトの営業さんは嵐の松●潤そっくりだった。

誰が思い付いたのか知らないが、

「子供部屋おじさん」なんて言葉が生まれたのはいつだろうか?

ネットスラングで、いい歳した大人(多分男の事なんだろう)が実家に寄生している事を言っているんだろう。

 

別にいいじゃ無いかって思っていたが、

親はいつも口酸っぱく「家を出ろ」と言っていた。

 

「家を出ろ」と口酸っぱく言う割には

「一人暮らししたって、お前は料理も掃除も洗濯もできないだろう」

「部屋はゴミ屋敷になるだろう」等と散々馬鹿にしてくるので腹は立っていた。

 

しかし、多少の小言に耐えていれば、月に数万円入れるだけで

・住まわせてもらえて

・洗濯をしてもらえて

・飯を食わせてもらえる

実家は天国とまでは言えないが、快適だった。

 

適応障害を患うも、周りの環境に恵まれ

少しずつ回復している最中

もうちょっとだけこの実家(ぬるま湯)にいたい・・・と思っていたところ。

 

9月のある日

 

就寝中にちっちゃいゴキブリが枕元に現れた。