チームB公演の脅迫事件から一週間。
すでに劇場は通常通りに営業していた。
その日は前日までの温かさが嘘のように冷え込んでいた。
街行く人は皆一つ多く羽織りポケットに手を入れて歩いている。
しかし秋葉原ドンキホーテ、そこだけは違っていた。
否、AKB劇場といったほうが正しいのか。
その表にはたくさんの人だかり。
開演三時間前だというのにもう人が並んでいた。
「待ちに待ったぞ」
「全員揃ってのK公演」
並ぶ人々は口々に呟く。
それは寒さを忘れるためか、溢れんばかりの期待のためか。
秋葉原の一角は熱気に包まれていた。
「すごいよー優子」
宮澤が楽屋に入るなり嬉しそうな声で大島に飛びつく。
楽屋に書かれた赤い文字は消されいままで通りに使用されていた。
「あーみたみた、すごいなあれはまだ三時間前だし」
「でもそれだけ待ち望んでくれてたってことでしょ?」
梅田も微笑みながら言った。
彼女だけではない。
その日は皆やる気に満ちていた。
お客さまの期待に応えれるようにいつも以上の最高のパフォーマンスをしようと。
「みんな!最終チェックするから集まって!」
秋元才加がメンバーを呼び集める。
各々がぞろぞろと舞台へ移動を始める。
「・・・・・」
大島は内心複雑であった。
これほどメンバーがお客さんが公演を楽しみにしている。
しかし今日、この公演で起こる。
必ず起こるのだ革命のバトンが。
「もう引き下がれないよね」
準備は整っている。
もう今さら後戻りはできない。
増田はやった。
自分もやらなければいけない。
「行くか」
大島は立ち上がり舞台へと足を運んだ。
『A!K!B!フォーティーエーイト!』
おきまりの流れで幕が開く。
観客のボルテージは一気に上がる。
『風を入れろ!
チームよ 勝負だぜ
誰も見たことないパフォーマンス
風を入れろ!
今日からは 生まれ変わった
OH- われらがチームK』
『
ウッホウッホホ 雄叫び上げて
僕たちを誰も止められない
ウッホウッホホ 拳上げて Yeah!Yeah!Yeah!
暗い空気 吹き飛ばそう Yeah!Yeah!Yeah!』
次々と歌い終えていく。
アンコールがかかる。
クライマックスに向けいよいよというところまで差し掛かったときだった。
最後の曲『引っ越しました』に映る時だった。
ブチッ・・・
異様な音が鳴り響いた次の瞬間。
司会で間を繋いでいた秋元の真横に何かが落ちる。
それは照明機材。
勢いよく落ちたそれは床に激しい音を立て壊れる。
辺りに破片が飛び散った。
騒然、唖然とする。
場の空気が一気に凍りつく。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!」
悲鳴に破られた静寂。
息が白くなる空にまで届きそうなほどの叫びだった。
すでに劇場は通常通りに営業していた。
その日は前日までの温かさが嘘のように冷え込んでいた。
街行く人は皆一つ多く羽織りポケットに手を入れて歩いている。
しかし秋葉原ドンキホーテ、そこだけは違っていた。
否、AKB劇場といったほうが正しいのか。
その表にはたくさんの人だかり。
開演三時間前だというのにもう人が並んでいた。
「待ちに待ったぞ」
「全員揃ってのK公演」
並ぶ人々は口々に呟く。
それは寒さを忘れるためか、溢れんばかりの期待のためか。
秋葉原の一角は熱気に包まれていた。
「すごいよー優子」
宮澤が楽屋に入るなり嬉しそうな声で大島に飛びつく。
楽屋に書かれた赤い文字は消されいままで通りに使用されていた。
「あーみたみた、すごいなあれはまだ三時間前だし」
「でもそれだけ待ち望んでくれてたってことでしょ?」
梅田も微笑みながら言った。
彼女だけではない。
その日は皆やる気に満ちていた。
お客さまの期待に応えれるようにいつも以上の最高のパフォーマンスをしようと。
「みんな!最終チェックするから集まって!」
秋元才加がメンバーを呼び集める。
各々がぞろぞろと舞台へ移動を始める。
「・・・・・」
大島は内心複雑であった。
これほどメンバーがお客さんが公演を楽しみにしている。
しかし今日、この公演で起こる。
必ず起こるのだ革命のバトンが。
「もう引き下がれないよね」
準備は整っている。
もう今さら後戻りはできない。
増田はやった。
自分もやらなければいけない。
「行くか」
大島は立ち上がり舞台へと足を運んだ。
『A!K!B!フォーティーエーイト!』
おきまりの流れで幕が開く。
観客のボルテージは一気に上がる。
『風を入れろ!
チームよ 勝負だぜ
誰も見たことないパフォーマンス
風を入れろ!
今日からは 生まれ変わった
OH- われらがチームK』
『
ウッホウッホホ 雄叫び上げて
僕たちを誰も止められない
ウッホウッホホ 拳上げて Yeah!Yeah!Yeah!
暗い空気 吹き飛ばそう Yeah!Yeah!Yeah!』
次々と歌い終えていく。
アンコールがかかる。
クライマックスに向けいよいよというところまで差し掛かったときだった。
最後の曲『引っ越しました』に映る時だった。
ブチッ・・・
異様な音が鳴り響いた次の瞬間。
司会で間を繋いでいた秋元の真横に何かが落ちる。
それは照明機材。
勢いよく落ちたそれは床に激しい音を立て壊れる。
辺りに破片が飛び散った。
騒然、唖然とする。
場の空気が一気に凍りつく。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!」
悲鳴に破られた静寂。
息が白くなる空にまで届きそうなほどの叫びだった。