【岩屋神社（いわやじんじゃ）】（福岡県朝倉郡東峰村大字宝珠山）

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岩屋神社は空から降ってきたとされる「宝珠石」をご神体としている神社で、山内に林立する奇岩群は、神仏が降臨する神聖な場所として、古来より英彦山修験の拠点の場とされていました。

岩屋神社一帯は、英彦山・釈迦岳・大日岳一帯の火山活動と風化浸食によってできた安山岩質集塊岩の林立した奇岩群と窟群が形成する山地で、植物相も周辺地域にない特殊なものがあります。

そのため、一帯は耶馬日田英彦山国定公園にも指定されました。

この「岩屋神社」の創建は、社伝によると532年とされ、かなり歴史の深い神社で、宝珠山という地名の由来になった「宝珠石」という石がご神体ですが、これにも古くからの伝承が残されています。

547年、29代欽明天皇時代に空から突如として岩屋に光り輝く隕石が降り、僧はこの隕石を「宝玉石」と名づけ、ご神体として祀るための神殿を造営した創始とされています。

大化4年(648年)には村人に「星の宝・宝珠石を茅薦(かやこも)で包んで奉れ」と御神勅があり、それ以降閏年(4年に1回)の10月19日に「薦替えの儀」が行われています。

茅薦の中のご神体である宝珠石を見ると「目が潰れる」といわれており、薦替えの際も目隠し・口に榊の葉を咥えて祭祀を行うそうです。

「岩屋神社本殿」は、奇岩群のひとつの「権現岩」の窪みを利用して作られていて、この自然と一体化した見事な風格は、見る者を圧倒する威圧感と荘厳さがあります。

現在の本殿は、元禄11年（1698年）に筑前福岡藩4代藩主の黒田綱政（くろだつなまさ）によって建立されたものです。

建物は外殿とその中の内殿からなり、外殿は南面して桁行五間と梁間五間で茅杉皮重ね葺き一重入母屋造り、内殿は厚板葺き片流見世棚造りとなっており、彦山修験道に関係する貴重な建造物として、昭和63年に国指定重要文化財に指定されました。

正面には参拝者用の桁行三間の向拝（ごはい）があります。

岩屋神社本殿よりさらに山奥には境内社として熊野神社本殿（国重要文化財）があり、大きな岩窟の中に建っています。
貞享3年（1686年）に村民が建立した板葺き三間社流見世棚造りの社殿は、天狗が蹴って穴を空けたという熊野岩の険しい岩場に立てかけた独特の懸(かけ)造りです。

◆ご祭神
伊弉冉尊(いざなみのみこと)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)

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