平成26年5月31日(土)、龍山(竜ノ口山)の火災から19日が経った。ようやく、そこに行く時間ができた。
11時32分、絵下山東麓駐車場に車を置き、龍山に向かう。
車道脇にはエゴノキでしょうか。(私はハイノキとの区別がつきません。)
ヤマアジサイもたくさん咲いている。
東麓駐車場から龍山に行くには、これまで、一旦、矢野霊園付近まで下るが、あきく魅力探見隊のYZさんに新しい道を教えてもらっていた。
「『歩行者に注意』という路面表示の『行』という字の横に入口がある」。宝探しの暗号のような言葉で教えてもらった。
確かに「行」の文字の横に、前を向いて歩いていると見逃しそうな登山口があった。
11時34分、そこを入る。「竜山近径」の貼り紙。
木で路肩や階段ができていて、立派な道である。
湾曲させて軌道で楽に尾根に向かう。
11時39分、龍山へのメインルートに合流した。メインルートが下ってから上り始めることを考えると、こちらが楽である。
龍山コースのメーンルートを上る。久しぶりの登山に息が切れる。
しゃがんで休憩していると、足元に葉脈だけ残った枯葉をみつけた。葉脈標本はアルカリ薬品で煮詰めてつくるらしいが、自然の中ではどうやってこうなるのだろう。
11時57分、予期せぬ分岐点があった。右方向を指して「中野山近道」と書いてある。そういえば、龍山に巻道があるという話を聞いたことがある。
焼け跡が遠くなるが行ってみる。
急造とは思えない落ち着いた道があった。
11時59分、龍山・中野山鞍部の十字路付近に出た。
車道が一番南に寄る市からこの鞍部に来て、この道を戻れば、楽々とタツノ口岩に行くことができる。
龍山を越えると急登となるので、来た道を折り返し、メインルートに戻る。
午後0時6分、タツノ口岩に到着。
麓に焼け跡が見える。
0時10分、火災のあった寺屋敷側の斜面を下り始める。
テングチョウの撮影に成功。「鼻」が尖っているのが特徴。
この斜面、ほかの斜面よりヤマツツジが多く咲いている。
蛾のような色のテングチョウより、よほど蝶らしい色をしたキンモンガ。
キンモンガを撮影して目を上げると、焼け跡が始まっていた。
眺望の良い岩がある場所だ。ここまで炎が登ってきたのか。
尾根の道を中心に左右が燃えている。
この尾根の南にある「宮が畝」の尾根が同じように燃えているのがわかる。
木が焼けたにおいが残っている。花もない昆虫もいない殺伐とした風景、笑顔ではいられない。
9分ほど下ると道は緑になった。
0時29分、五月台公園が見えた。焼け跡からほんのわずかな距離である。
五月台団地を下る。目の前に20頭くらいのチョウが乱舞している。テングチョウだ。
ここから寺屋敷交差点におり、県道を通っている間、異常発生ではないかというくらいテングチョウが飛んでいた。例年このような様子なのだろうか。
0時58分、東麓駐車場に戻った。車内の温度は63度となっている。
テングチョウはこの駐車場でも、数頭が飛んでいる。実は、矢野南の自宅に戻っても3頭ほどが飛んでいた。これまで、そんなに気になったことはなかったのだが。