~え?僕、何すれば…~





今日、僕達は、
日本に行ける扉を開けて、
東京という所に、遊びに来た!

今日は、日本で言う土曜日とか
言う不思議な日らしくて、
学校が休みみたいだから
普通に遊ぶ事にした

実は、僕達3人は
忍者とかいうのを見て
どんな奴等なのかが
とても気になったからだ


「コ…ス…プ…レ…?」
「夜乃ちゃーん!ここ入ってみようよ!」
「ちょっと待て待て、忍者探しに来たんだろー?」
「そうよ。黔、ここには忍者なんていないわよ?」
「えー、この貼り紙に、『忍者もあります』って書いてあるよー?」
「何ですって!?どこよ!?」
「あぁ、本当だ。じゃあ、入ってみるか」
「やったー!!」


という事で、
コスプレ店に入ってみる事にした。
そもそも、コスプレとは何だろうか?
この3人にはまったくわかっていないようである。

わー!
色んな服があるー♪
ブルマはあるかな♪

ともかく3人は店の中をじっくり見ようとしている。
まずは夜乃 空蛇蝋を追いかけてみよう


「お、この服、執事って書いてある…」


どうやら、
夜乃は執事服を見つけたようだ。


「でも…、なんだ…?この後ろの尻尾みたいなのは…」


それが執事服なのである。


「おっ、こっちは、お嬢様に似合いそうな服や、黔が着れそうな服があるな」


夜乃にはやましい事はないようだ。
では、次に、
詩熊 野衣豆を追いかけてみよう。


「あら、私が持ってる服に似ている服があるわ」


どうやら、
お嬢様服のような服を見ているようだ。


「何これ、可愛いじゃない!あとで、空蛇蝋に買ってもらおうかしら」


なにやら、
買わせようと企んでいる。
特に詩熊にもやましい事はなかったみたいだ。
次は、黔 沙樹を追いかけてみよう。
3人の中で一番危険な人物だ。
きっとやましい事がたくさんあるに違いないだろう。


「わぁー♪露出度たかーい♪」


それは、ピッチピチの女の子が着る水着である。


「こっちは、バニーガールだぁー♪これはうさぎちゃんに着てもらおうかなぁ♪」


これまた、
露出度が高い物を選んだようだ。
やはり、やましい事トップ人間である。


もうそろそろ、
忍者服を見つけても良い時であろう。
だが、3人はまだ見つけ出していないようだ。

そこで、3人は集まり、
店員さんに聞いてみる事にした。


「すいません、忍者服ってありますか?」


すかさず、夜乃が店員さんに聞いた


「ありますよー、こちらです」
「あ、これですか」
「はい。試着してみますか?」
「いえ、試着は良いです」
「お買い求めですか?」
「この3人のサイズのってありますかね?」
「ちょっとわかりませんね…。サイズを測らせてもらってよろしいですか?」
「わかりました」
「では、こちらへどうぞ」


店員さんはカーテンの向こうの部屋へ。
3人を通し、メジャーを持った。
黔は店員さんの服装に夢中のようだ。


「このサイズなら何とかありますよ」
「じゃあ、それをください」
「わかりました。181センチと166センチと170センチですね」
「はい。お願いします」
「他にお買い求めはありますか」
「あ、はい。ちょっと待ってください」


高額の買い物になりそうな予感である。


「よし、詩熊、黔、買いたい物があったら、持って来ようか」
「わかったわ」
「わかったー♪」
「なるべく、早くな」


夜乃、4着。
詩熊、2着。
黔、7着。
忍者服が3着。


「72760円になります。ありがとうございましたぁ♪またのご来店お待ちしておりますにゃん♪」


コスプレ店から出た3人。


「あれ、猫だったんだぁ、測ってもらった時に尻尾掴んじゃったぁ」
「黔!7着も何買ったんだ!?」
「えー、教えないよぉー」
「何かしら…。『にゃんにゃんロリロリ服。幼女に着せたら貴方もドキドキ間違いなし♪』ですってよ…?空蛇蝋?」
「…黔」
「く・ろ・む?」
「2人共、な、何怒ってるの…?」
「まさか、お前、これを柘葉木ちゃんに着せるんじゃないだろうなぁ…?」
「まぁた、柘葉木ちゃんに嫌われちゃうわよぉ?」
「し、しないよぉ…」


じりじりと2人に迫られる黔。


「この野郎!」
「いだだだだだ!!いはいよ!にぃちゃんにひちゃん!」
「あっはっはっはっはっ」


詩熊大爆笑。
夜乃に頬を抓られる、黔でした。
仲が良いのか悪いのか…
わからない、兄弟ですね。


「そろそろ帰って、忍者でもやってみるか?」
「やってみたいわね」
「着てみよー♪…いてて、しゃべるとほっぺが痛いよー…」
「「黔が悪い!」」
「うっ、うー…」


まったくひどいよね!
2人共、この服の良さを知らないんだから!
夜乃ちゃんだって、バニーガール好きなくせに!
うぅ、ほっぺがヒリヒリするー…


「ん?なんだよ、その顔」
「むっ、何でもないよぅ」
「別に買っちゃダメだった訳じゃないから良いだろ?俺だって、バニーガールは好きだ。バニーガール『は』な」
「う…」
「はっはっはっ」


心読まれた!?
びっくりしたぁ…

そうこうしているうちに、
屋敷に戻って来た3人は、
裏庭へ出る事にした。
裏庭はとても広く、
忍者ごっこなど簡単に出来るような場所であった。


「よし!着てみたが、どうだ?」
「どうかしら、似合う?」
「なんか、忍者クノイチみたいだな」
「ポニーテール似合うでしょう?」
「忍者服に合ってて、格好良いな」
「あら、空蛇蝋だって、格好良すぎる忍者よ」
「似合ってる?」
「すごくね」
「そう言われると何だか嬉しいな…、ありがとう。って、黔遅いな」
「何してるのかしら」


2人共、普通に着ちゃってさ!
ノリノリでさ!
う…、なにこれ…


「わっわっわっ、何これぇ」
「どうした、黔」
「コレ、何ぃ?」
「あぁ、これはここにつけて、刀を入れるんだ」
「わっわっ」
「と、これは、これにこうつけて、こうすれば良いんだよ」
「な、なんでそんなに詳しいの?」
「色々、勉強してみたのよ。ね?空蛇蝋」
「そう」
「ふぅーん…」


なんか、僕だけ取り残されてる気分だぁ
2人で忍者の勉強なんかしちゃってさ
ノリノリでさ
僕なんかちょっとわからないしさ
忍者って何するのかわからないしさぁ!


「さて、見てなさい、2人共!私の技をッ!」


と言うと、詩熊は、
スタッスタッと枝の上を素早く
移動して見せた


「おー!!すごいな」
「えっえっ!?忍者ってそんな事するの!?」


すると、詩熊は自慢気に
枝から降りてきた


「すごいでしょう」
「巧みだったな」
「えー…」


「じゃあ、次は俺がやるぞ。見とけよ!」


と、手際良く綺麗に立てられた竹を
刀でスパッスパッと軽やかに
すべての竹を真っ二つに斬った


「全部、綺麗に真っ二つになってるわ…」
「何したの!?これどうなったの!?夜乃ちゃんが全部やったの!?」
「だろ?ちょっと、頑張ってみたよ」
「すごいわ、貴方こそ巧みよ」
「ありがとう、詩熊」


な、なんだよなんだよ!
2人してそんなに格好つけちゃってさ!
なんか恋人同士みたいだしさ!


「「で、黔は?」」
「えっ?」


え…何…僕…?


「何か出来るか?」
「後は、手裏剣なんかが残ってるわよ」
「しゅ…しゅりけん?」


しゅりけんって何!!
無茶振りだよぉ!!


「え?僕、何すれば…」
「こうやるんだ」
「こうよ」


2人は、手裏剣を素早く投げ、
ストンストンッと木に刺した。


「わかったか?黔」
「わかった?黔」



「結局、僕には何も出来ないじゃないかぁぁあ!!!!!」





おしまい。








楽しんでいただけましたか?


別編では本編では見られないような、
3兄弟の意外な一面や、
仲良しさが見られます。





まだまだ、続きます。
作者に思いつく限り、
作者等の妄想が止まらない限り
この Forever Life という物語は
終わりを告げない永遠の世界なのです












明都さんはBunny Girl♪



Hello?
私は、この屋敷にメイドさんとして勤めて、8年になります♪
え?年は?って…?
Ladyに歳なんて聞いちゃダメですよっ☆
もし、知りたいのなら、
自分から言いなさーいっ!


な~んて、ね?

私の名前は、明都(みんと)。
年は、26歳よ。
そう、18歳の時に、この屋敷に来たの。

その時は、
こんな大きな屋敷で
働けるなんて夢みたいって思ってた
でも、夢なんかじゃないの!
毎日楽しくって!
私!ここで働いてるんだ、
生きてるんだって思える!
だからね、だから

「もうあんな家には帰りたくない…」
「?」
「あ、ごめんね。何でもない」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫。ちょっと外周りに行って来るね」

思わず口に出しちゃった…
気まずいから、退室しよう

屋敷の廊下をゆっくりと歩きながら
明都は考えを張り巡らした

"大丈夫よ、私はもう弱くない"

そう心に思いながら
ゆっくりと…

「あら、明都…、どうしたの?浮かない顔をして」
「あっ、…えっと、何でもないんです。すいません…、仕事に戻ります」
「明都…。故郷の家の事なら…、辛いだろうけど気にしなくていいのよ。貴女はもう私達の家族なんだから」
「…はい」

口を押さえて、その場を後にする
その大きく黒い瞳からは
何の躊躇いもなく涙が流れた

私の心を見透かされているように
お嬢様はいつも私を気にかけて
優しい言葉をかけてくれる

だけど、そんな優しいお嬢様に
甘えてたら、いけないって…
わかってる…

なのに、私…
ずっとこのまま…
一歩も踏み出してない…
踏み出せてない
このままじゃいけないって
わかってるけど…
どうしても踏み出せない

"どうして私…こんなに弱いの?"

私は生まれて物心のついた頃から、
お父様に暴力を受けていた
お母様も…
痛くて辛くて苦しくて死にたいって
毎日思ってた
16歳の時に私は家出をした
あんな家にずっといるなんて
死んでも嫌だって思って…

この屋敷に来てから8年
一度も…あの家に帰ってない…
8年間の間に…
あの人が変わるはずがない
だけど、いつも味方してくれた
お母様をほったらかしにしている
自分は最低だよね…


なんかごめんなさい
明るくするつもりが、
暗い話になってしまって…


「明都!待ちなさい…」
「お嬢様…」

え…?

「ごめんね。追いかけて来たりして…」
「…大丈夫です。すいません…」
「わかってるのよ。貴女の気持ち…」
「…」

お嬢様…

止まりかけた涙が一気に溢れ出した

「貴女が8年間悩み続けた事も、故郷に戻ろうと思ってる事も…」
「…」
「貴女に故郷へ帰る決心がつくまで、私達は見守る事しか出来ない。だけど、見守るだけじゃなく、応援…してるわ」
「ふぁい…」
「みんな、貴女の事を心配してる。毎年この時期になると、貴女が浮かない顔をしてため息をついてる事も知ってる」

お嬢様の声が廊下に木霊する

「貴女の家の事を知ってるのは、私と空蛇蝋だけだけど、黔も他のメイドのみんなも貴女の事を応援してるし、貴女はもう私達の大事な家族なの」
「はい…」
「ごめんね。私なんかがこんな事言って…、みんなが心配してる事、伝えたかったのよ」
「私なんかなんて言わないでください。嬉しいです…、私、いつもいつも帰らなきゃって、でも、足が竦んじゃって歩けなくなって…。私、本当にこの屋敷で働けて幸せなんです…」
「貴女が帰らなきゃいけない家は、故郷でもあるけど、それと同じくらいこの屋敷、この家にも帰って来なくちゃいけないのよ」

涙を拭き取り
思いっきり明都は言った

「はい!私の家ですよねっ!」
「えぇ、貴女の家よ」
「お嬢様…忙しいのに…本当にすいません」
「私は全然忙しくないわよ。あなたの方が心配だもの。だから気にしないでちょうだい」
「はい…」
「私はもう戻るわね」

そう言うと、詩熊は背を向けた

「お嬢様!」

呼ばれた事に気付き
詩熊が振り返った

「本当にありがとうございました!」

ちょっとびっくりした顔をした後
少し微笑み、仕事へと戻って行った


「私も頑張らなくちゃっ!」

明都はそういうと深呼吸をした

その前にアレよ!アレ!
アレを黔ちゃんに借りなきゃ!

明都は早足で黔の部屋へと向かう
黔の部屋の前についた瞬間
ノックもせずにガチャッと
大きな音を立て開けると

「黔ちゃんッ!!」
「えぇえええぇぇえ!!」
「はぁはぁ…」
「え!?何!?急にどうしたの!?」
「ごめんね…、急に、開けちゃって…」
「それはびっくりしたけど、大丈夫だよぉ?どうしたの?」
「アレを貸してほしいの!」
「アレ…?アレ…アレ…あぁ!あれかぁ♪いいよぉー♪はいッ♪」
「ありがとう!」

明都は受け取るとその場で…

「わっわっ!」

黔は恥ずかしそうに顔を隠すが…
指の隙間からちら見をしている

「出来たわ…」
「似合うよぉ♪」
「耳ズレてない?」
「ズレてないよぉ♪」
「良かったぁ、ありがとうね!黔ちゃん!」
「全然いいよぉ♪(生着替え見れちゃったしねぇ♪)」
「じゃあ、私、ちょっと頑張ってくるわね♪」
「僕も行くー♪」



これを着ると何故か気分が元気になるのよね♪
え?何?バニーガールよ?
私は変態じゃないですよ…!たぶん…










次回は、

「3年後」


です。
かなり進んじゃいますが、
まだまだ話は終わらないので、
お楽しみに



「お嬢様!夜乃様!柘葉木様が!!」
「「え!?」」













屋敷の秘密


じゃあ、今日は久しぶりに、
俺、夜乃から話そうと思います

夜乃から、『屋敷の秘密』について
お話し致します

ゆっくりご覧になってくださいね





「空蛇蝋、ちょっと来てちょうだい」
「はい、お嬢様?」

急に声をかけられてびっくりした

何故だか深刻な顔した詩熊から、
俺はお呼ばれした

どうしたんだ…?

何となく察しはついたが、
まさか……なぁ?

「空蛇蝋」
「はい」
「きっと、空蛇蝋なら察しがついてるんじゃないかしら…?」

まさかのまさかだったな…

「屋敷の事ですか…?」
「えぇ」
「またですか…」
「そうよ、私達の屋敷だから、私達はしっかり知っておかなくちゃいけない、手伝ってくれるわよね?」
「勿論、当たり前ですよ」
「黔にも言わないといけないわね…」
「そうですね、それで、今回は誰が退治したんですか?」
「うさぎちゃんよ」
「っ!?うさぎちゃんが!?」

お嬢様までうさぎちゃんって呼ぶようになったか…

「えぇ、あの子以外に強いのね…、びっくりよ。勇敢だったわ」
「そうですか…、兎も角良かったです。誰も怪我をしなくて」
「そうね。良かったわ」


みんな、気になるだろうか
屋敷の事とか退治とか…

そう、この屋敷にまた
魔物が入り込んだ
それをうさぎちゃんが退治したらしい

去年と3年前は偶然、俺が見つけ
退治が出来た。
今回は昨日の事
どこから入り込んでいるのかは
もうわかっている

実は、この屋敷には
他の世界へ通じる扉が2つある

この屋敷があるのは
聖地-ALALD-(エラルド)で
エラルドにある建物はこの屋敷だけ
この屋敷の敷地内から
少しの距離だけが聖地なだけで
他の地は普通の地だが…

誰でも普通にその領域に入る事は
出来るが、抜け出すのは困難
だから、皆近寄ろうとしなかった

例えば、俺が前に、
メイドさんと買い出しに行った場所
そこに行くには
森を通り谷を越えなくてはならない
その森の途中に聖地と普通の地の
分かれ目がある
その分かれ目はすぐにわかる
木の色が違っているからだ
そこを抜ければ
「普通の人間」が住んでる地である
ちなみにメイドもその地から来た

つまり、聖地に住んでるのは
屋敷に住んでいる人達だけという事。

何故、聖地以外に住んでいる人を
「普通の人間」と呼ぶかと言うと

この屋敷で産まれた
屋敷の主の血を受け継いだ人間は

『絶対に老けない人間』になる
ALALDで産まれた人間は
絶対に老ける事はないが、
兄弟だとしても、
名前、つまり、苗字は同じになれない
顔つきが違ってしまう

普通の地に産まれた人間は、
親と同じ苗字に名前だろう
妹弟もそうなはずだ
だが、ALALDで産まれた人間
つまり、屋敷の主から産まれた人間は
人間ではあるが、老ける事がなく
妹弟だとしても、苗字が違ってしまう
髪の色も不思議と違う…

年齢は老ける一方だが
身体は老ける事はない。
20歳までは大きくなり
20歳を過ぎると老けなくなる
今、俺は20歳
これから老ける事はなくなる
詩熊は後2年、黔は後4年だ。


そして、屋敷にある2つの扉


1つは、Earth(地球)に通じる扉
地球にある日本?という場所だ
俺達3妹弟はまだ10回ほどしか
行った事がない。
文字や数字や漢字などは
こちらの世界に似ているみたいで
読めるのだが、唯一わからないのが
学校というものだ。
こちらの世界にはないもの。
同じ年の男女が集まり、
大人になったら役に立つという
勉強をする場所らしい
そして、不思議なものが
たくさん売っている
兎に角、不思議な場所だ


2つ目は、Devil World(魔界)
名前は知らないが魔物がいる事から
俺達は、魔界と呼んでいる
つまり、屋敷に入り込んでいるのは
この世界にいる魔物だ
俺達3妹弟もまだ行った事はない
どう考えても危ない場所だ
魔物は鋭い爪を持っている
斬りつけられたらおしまいだ


この扉を通れるのは
俺達3妹弟だけのようだ。

柘葉木ちゃんにも
いつか言わなければならない
俺達3妹弟は何故老けないのか
きっと驚くだろう
怖くなってしまうかも知れない
だけど、それは避けては通れない


ざっとこんな感じだ
わからない事はあっただろうか?
わからない事があれば聞いてほしい
…と、言いたい所だが
どうやって聞けば良いんだ
となるのでやめておこう…


「空蛇蝋、黔を連れて来てちょうだい。なるべく早く」
「わかりました」

そう返事をすると
夜乃は眉間にシワを寄せながら
詩熊の部屋を出た

なるべく早く魔物事件を
片付けてしまいたい
この屋敷から死者が出た事は
一度もないが
心配で仕方がない

考え事をしながら廊下を歩く

黔は珍しく部屋にいるようだ
まあ、ちょうどいい
探さなくて済むのだから

「黔。お嬢様がお呼びだ」
「わかったぁ、すぐ行くよー」
「廊下で待っている」
「はーい♪」

一度行って見ても良いかも…
だが、戻れなくなったら?
という心配があって行かれない
あるいは、扉を完璧に塞ぐ
という事もやろうと思えば出来る事だ

魔界はどうなっているんだろう?
人はいるんだろうか?
魔物だけの世界なのだろうか?
気になって仕方がない

「どうしたのー?夜乃ちゃん?」
「…ん?あぁ、すまない、考え事をしていただけだよ。よし、行こう」
「…うん…」

きっと詩熊も同じように
思ってるに違いない
これからどうなるのかという不安と
魔界についての事も
屋敷から死者が出てしまう怖れ

考え事をしているうちに
詩熊の部屋についた
ドアをノックし、声をかけた

「お嬢様、黔をつれてきました」
「えぇ、入ってちょうだい」
「はい、失礼します」
「失礼します…」

何かを感知したかのように
黔はいつもと違う表情を
年に合わない幼い顔に浮かべている

「黔、思い当たる事はあるかしら」
「…僕がメイドさんのお風呂を盗み見した事?」
「…おまっ」
「あははははっ、ごめんなさい。聞き方が悪かったわ」
「えっ?違うの?」
「違うよ、黔」
「違うわよ。魔界の扉の事よ」
「…」
「ちょっと思い出したかしら?」
「うん…」

どうするのだろうか…
決断は…
早めか遅めか…
だが、早くも遅くも必ず
魔界に入る事になるのだろう苦しい決断は詩熊がしなくてはならない

「決めたわ」
「!?」
「早いですね」
「えぇ、決めるのは早い方がいいと思って…」
「そうですね…」
「どうするの…?」
「2年後…。2年後よ…」
「2年後ですか…」
「私も20歳になる事だし、黔も18歳になるから、良いんじゃないかって」
「柘葉木ちゃんはどうするの」
「あの子は…、そうね。言わなきゃならないわね」
「お嬢様が言える時でいいと思います。遅かれ早かれ、もし魔界に行って、俺達が戻って来れなくなったら…、それが言いづらいんですよね」
「えぇ…そうよ…」
「とにかく今は…」
「えぇ、屋敷を守るのに、強力体制でなくてはいけないわね」
「僕も頑張るよ」
「あぁ、頑張ろう」

今後、どうなるのか…
現時点では誰にもわからない事だった










屋敷の秘密
どうでしたか?

次回、「明都さんはBunny Girl」
です!お楽しみに!




「お楽しみにっ☆」
「うさぎちゃん、バニーガール似合うよぉ~♪」