「明日はさ、千葉の方に海を見に行きませんか??」
カラオケからの帰り道、彼の家に向かう途中で、彼からデートのお誘い。
「いいね、海、見たいかも。」
「そしてそのまま、中華でも食べてさ。」
「中華?なんで、中華縛り、」
クスッと笑ったところで、ハッとする。
中華って…。
「そんで、そのまま、俺の母ちゃんと父ちゃんに、お嫁さんにしたいって紹介しようかなって。」
彼は、立ち止まって、私を真っ直ぐに見た。
全然ロマンチックじゃない場所で、
しかもこんなタイミングで、
「バカ…。」
「…よく言われる。…どうかな?」
珍しく、真面目な顔で。
ちょっと自信がなさそうで。
「幸せになろ?俺と、一緒に、幸せになろ?」
少し、目の前が滲んだ。
「…はい。」
そう答えると、「やったー!!!」と、やたらに喜んで、飛び跳ねて、私をきつく抱きしめて。
「あっ!!ちょっと待って、俺これ見せながらい言おうと思ってたのに!!!!!」
彼はそう言いながらゴソゴソと、白い正方形の箱を取り出した。
パコッという音とともに開かれたその中には、シルバーのリングが輝いていて。
「…バカ。」
「ヘヘッ、よく言われる!」
彼が私の左手の薬指にリングを通そうとした瞬間。
ビビビビビッとなって、パッと顔を上げると、彼と目が合った。
「今、俺ビビッときたんだけど。」
「私も。」
「えっ、まじ?!やっぱり?!俺ら、デスタンなんだよ!!」
「うん。今は信じられる、そのセンサー。」
結婚式はさ、じいちゃんとばぁちゃんが初デートで行ったフレンチレストランにしたいんだ〜
子供は何人欲しい?俺二人兄弟だからさ、2人は欲しい!そして女の子も欲しい!
彼から発せられる明るい未来を、私は、ワクワクしながら聞いていた。
私たちの子供や孫は、どんな風にデスタンと出会うのかな。
世界の多くの人は、どんな風にデスタンと出会ったのかな。
私のデスタンが、あなたで、本当に本当に、
「良かった。」
「良かった。」
私のよかったと、彼のよかった、が重なった。
「何が?」
私が聞く。
「さやちゃんのデスタンセンサーが、俺を見つけてくれて、俺のデスタンがさやちゃんで、良かった。」
“さやちゃんは、何がよかったの?”
黒目がちなその目に、私が映っている。
背伸びをして、彼の唇に自分のそれを触れさせた。
あなたと同じだよ、の意味を込めて。
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タキシードを着た彼が、白いドレスを身にまとった私を見て、微笑んだ。
「ふふふ、可愛い俺のデスタン、これから宜しくね。」
「ふふふ、素敵な私のデスタン、これからよろしくお願いします。」
どこに落ちてるかわからないデスタン。
一つ一つの出会いを大切にすれば、
センサーはきっと磨かれて、
デスタンがほら、
目の前に。

