子供の頃、初めて聴いたショパンのレコードのピアニストが

サンソン・フランソワ。

私はそれでショパンが好きになった。

そして、サンソン・フランソワのことも好きになった。


先日急に思い出して、図書館で

『吉田秀和作曲家論集③ショパン』と

『ピアニストが見たピアニスト 名演奏家の秘密とは』青柳いづみこ

を借りてきた。

2冊の本からサンソン・フランソワの部分だけ読んだ。


サンソン・フランソワは1924年生まれ。

1970年に46歳という若さで心臓発作で亡くなっている。

ショパンを中心としたロマン派、

フランスの印象派の演奏家だった。

子供の頃、自分からピアノを習うことを希望し、

親に練習を強制されることはなかったらしい。

ニースの音楽院に入学の2年後ピアノで1等賞

コルトーに紹介されエコール・ノルマル音楽院に入学

そしてパリ音楽院を16歳で卒業


第1回 ロン=ティボー国際コンクール 1位

(この時はまだ国内コンクールだった)

当時、彼の演奏はロマンティック、霊感に満ちた、

そして輝かしい・・・というのが宣伝文句だった。

来日は3回。

彼の演奏はとてもむらがあった。

テクニックのむら、それは精神的なものも。

青柳いづみこさんは「芸術は完璧」と書いている。

そして、「夢見る」「楽しむ」が、フランソワの重要なファクターだった。

と書いている。

愛読書はブルトンの『ナジャ』とあったので、早速探して借りる。


彼は子どものような無邪気さを持ち、

自由奔放に生きたかった人のように思う。

自由に生きていたように感じる話もあるが、

何かがきっと違ったんだろう。

それは何だったのか。興味があるところ。

彼は詩や散文も書いていたらしい。

そして、ピアノのテクニックに関する本を書きかけていたが、

残念ながら完成しなかった。

一部引用されていたところは興味深かった。