先月、 テレビで 新渡戸稲造の 『武士道』 が紹介されている番組を見ました(NHKテレビ「100分 de 名著」)。
新渡戸稲造は、以前の5千円札の肖像 でも お馴染の人です。
彼は『武士道』の中で、武士が身につけなければならない教え=徳目として、
義 ・ 勇 ・ 仁 ・ 礼 ・ 信(誠) ・ 名誉 ・ 忠義(忠)を挙げ、説いています。
これらは儒教の五常(仁義礼智信)にも通じるところがあり、どの徳目も意義深いと思いますが、
中でも、 「仁」 と 「礼」 は、
私が、母国 中国で幼い頃、
祖父母、両親から受けた教え と 同じものであると感じ、とても深く心に響きました。
新渡戸稲造は、次のように述べています。
「仁」 : 愛情、寛容、他者への情愛、同情、憐憫は、常に最高の徳、つまりは人間の魂に備わったあらゆる性質の中でもっとも高いもの。
「礼」 : 本当の礼とは、他人の気持ちを思いやる心のあらわれ。
『武士道』の中では主君の仁に対して、臣下の礼があるというように語られていましたが、
今の世の中においても、この「仁」、「礼」は、人の心を成長させ、人と人とのつながり、和を尊びながら広げる要のように思います。
私が幼少の頃にも教わったこの「仁」と「礼」。今では私の心の柱となり、日々の仕事への姿勢にもつながっています。
※参考文献:NHKテレビ「100分 de 名著」新渡戸稲造『武士道』(著者:山本博文、発行:NHK出版)
