今日は単独で四ツ岳の新ルート開拓に白骨温泉から硫黄岳経由で目指そうと計画。
湯川林道入口に駐車して入山。
凄まじい雪崩デブリを越えつつ林道を辿って湯川渡渉予定地点(標高1650m)の上部に来る。
50m位下の渡渉ポイントに向けてシール歩行で降下。これがミステイクだった。
エッヂが空抜けしフォールラインを滑落。運よく藪帯にひっかかり停止。
止めれなかったら川には99%落ちていただろう。まさに不幸中の幸い。山の神様が助けてくれたのかも。
足場を削りまともに立てるよう場所を確保。
川に接近したことで渡渉地点周辺が良く見えるようになり状況判断。
川幅も5-10mあって水量多く裸足での渡渉はまずまちがいない。胴長靴を持ってくるべきだった。
いろいろ考え今回は前進を諦める。そうと決まれば現状を脱出し頭上の林道に戻るだけだった。ところが・・・
安心したのもつかの間、滑落だけでは済まなかった。
登り返す前に滑落防止でアイゼンに換装しようとするも右足側はバンドのリベットが欠損し靴固定が不可能に。
やっかいなことになった。それでも何とかして登り返さないとならない。
左足アイゼン+右足キックステップ+左手ストック++右手ピックストック。とにかく装備を総動員して登行を開始。
雪が堅すぎて右キックするもステップが刻めない。ピックストックで何度も削りながら右足場を作製していく。
長い時間を感じながらようやく林道に。命拾いした。あまりにも迂闊だった。しばらく手の震えは止まらなかった。
ようやく落ち着いてきて頭もスッキリし平常心に戻る。
そこで普通は帰るのだろうけど根っからの山スキーバカであろう自分はそこから上の稜線目指して登ることに。
どこかにパウダー溜まりがあるだろうと期待して前進するがどこまで行っても堅雪面しか出てこない。
標高1930m付近に来ると湯川上流の温泉源から引湯している配管が埋まった作業道を見つける。
数年前の初冬に歩いたところだ。道の平部でザックを卸し一人協議。稜線に出てもいい雪は無いと判断。
ハイクアップ終了とする。シール剥がして滑走モードにチェンジ。戻るとするか。駐車地までの下りは早かった。
敗退は残念だったが命あっての物種。反省の多い一日になった。

2018年3月17日(日)
四ツ岳敗退 目的地変更 大黒岳東尾根・2135北面標高1930m(湯川温泉引湯作業道上)
天気: 晴れのち曇り
メンバー: 単独
コース: 湯川林道入口 → 湯川林道標高168m → 林道終点標高1760m → 終点南側の広い尾根
      → 尾根上標高1930m (往復)
タイム
7:13 湯川林道入口(標高1500m)
8:10-35 湯川林道(標高1680m) 
8:53 湯川林道終点(標高1760m)
10:05-45 大黒岳東尾根・2135北面標高1930m(湯川温泉引湯作業道上)
11:39 湯川林道入口(標高1500m)

                          リベット欠損 バンドでの靴固定不能      
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                               林道入口
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                            林道終点
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                          林道途中にあったデブリ
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                      林道には歩くと気持ちいいところもあった     
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                                -THE END-