この松岡圭祐さんという作家は、何百万部も売れているらしい。
恥ずかしながら、ヤン坊、松岡さんを最近まで全く知らなかった。
(海外が長かったからね。)
最初に「千里眼」を読んで、この作者、荒っぽいけど凄いエンタメ作家だと思った。
今までの日本のミステリィにないスケール。
壮大なアクション!
・・・生まれながらのエンタメ作家だなと思った。
しかし、この「催眠」を読むと、印象が違う。
生まれながらのエンタメ作家のような器用さは感じられない。
むしろ、驚くほど不器用で真面目なのだ!
プロットのバランスも悪いし、場面ごとに書きすぎているきらいもある。
でも、ストーリィはしっかりしているし、真面目だから倫理的な視点も変化していなくて、気持ちが良い。
これで、文章から贅肉を落としたら、もの凄く読みやすくなると思う!
逆説的に言えば、文章が読みにくいのに面白いのだ!
ヤン坊みたいな松岡ワールド新参者にとって、もう一つこの作家を判りにくくしているのは・・
と言うより、その著作を判りにくくしているのは、バージョンの多さです。
ヤン坊が読んでいたのは、小学館版だけど、ウィキペディアで調べたら、角川版があるのです。なおかつ、角川版にも、「新」と「クラシック」がある。
そして、現在は小学館版は絶版になりつつあるそうだ。
(ブックオフで100円で買ったら、30年後ぐらいに高値になるのだろうか?(笑))
つまり、今から読む読者は、角川版が良さそうだ!
だいぶ昔だけど、これに似た本がある。
それは、「幻魔大戦」だ。
元々は漫画週刊誌に連載されていたもので、作者は平井和正と石森章太郎。
当時「エイトマン」「狼男」で有名な平井和正が原作を書き、すでにもの凄い人気漫画家石森章太郎が絵を描いていた。
ところがこのお話、平井和正と石森章太郎の意見が合わなかったらしく、すぐに終了してしまう。
宇宙では、幻魔があらゆる銀河系を浸食、滅亡させている。
その魔手は地球に伸びてきている。
幻魔の斥候が地球に来襲、その力の前に地球はなすべきもないが、地球上の超能力戦士たちだけが、幻魔の斥候に対抗していく。
そして、幻魔の本軍が来襲するとき・・・超能力戦士たちは・・・
で、お話が終わっているのだ!
この欲求不満を、ヤン坊は40年以上持ち続けている。
漫画の連載終了後、平井和正は新しいシリーズを書き始めた。
まずは「新幻魔大戦」
これも結構長かった。
そして、「新幻魔大戦」に飽きた頃に、
「真幻魔大戦」
いい加減にセーよ!
少なくとも、ヤン坊にとっての最高バージョンは、オリジナルの漫画の「幻魔大戦」だった。
松岡さん、こんなことはしてないよね! ????
新しい方が面白いよね?