こんにちは。夢分析の心理カウンセラーやなぎです。

『酔生夢死』という言葉をご存知でしょうか？『すいせいむし』と読みます。

その意味は『何もせずに、むなしく一生を過ごすこと。生きている意味を自覚することなく、ぼんやりと無自覚に一生を送ること。酒に酔ったような、また、夢を見ているような心地で死んでいく意から』（Goo辞書より）ということです。

平たくいうと、『ぼけ～っとして酔っ払ぱらっているかのような人生を送っていたら、はかない夢のようにいつの間にか人生を終えることになってしまいますよ』という意味の言葉です。

実を言うと、この言葉は長いこと私にとっての『裏』座右の銘でした（ちなみに、『表』座右の銘は『人間（じんかん）至る処青山あり』であり続けています）。

というのも、生まれてきたからには名を上げ功をなしてこそ、と思う部分もありましたし

それに加えて以前にもこちらで書いたように、死ぬ間際になって後悔するような人生は送りたくない、とも思っていたからです。

しかし、今この言葉は私の『裏』座右の銘の地位を追われました（笑）。今でも好きな言葉ではありますが、私の中での重要性は少し低下しています

というのも、あることに気がついてしまったからです。

それは・・・

「酔生夢死の人生のどこがいけないのか？」ということにです。

この言葉が用いられる文脈では、ある事が暗黙のうちに前提とされています。

それは『何もせずに、むなしく一生を過ごすこと。生きている意味を自覚することなく、ぼんやりと無自覚に一生を送ること』がよろしくない、という前提です。

でも、その前提は本当に誰にとっても正しいものなのでしょうか？

今の私なら、「大きなお世話だ」と言いたくなります（笑）。

もっと肩の力を抜いて、いわば酔っぱらったかのように（あくまで、喩えですが）生きてもいいのに、と思われる人がいます。

道徳、倫理、責任、常識といったものを過度なまでに真面目に引き受けすぎて、そこでは『自分』という存在を押し殺している、というような場合がそれに当たります。

それとは別に、酔っぱらったかのように（あくまで、喩えですが）生きざるをえないという人もいます。

トラウマとなるような苦しいことを体験したり、あまりにも困難な状況にあるような人は、そうでもしていないと、生きていくことさえできないからです。

そのような事情があるので、酔生夢死のような人生を送らないほうがいいですよ、などとは軽々しく言えないのです。

こちらも、そんなことは言いません。

むしろ、「酔っぱらい人生いいですね！」くらい言います。

ただ、もったいないな、と思うところもないわけではありません。

いろいろ考えた上で酔っぱらい人生を選ぶのであれば、それはそれでいいと思うのですが

常識とか義務感、過去のトラウマや苦しい体験といったものの影響を引きずって、それによって酔っぱらい人生しか選べなくなっているのだとしたら、それはもったいないように思います。

それぞれの人生の生き方なんてものは、こちらが指図したり、あれこれ言えるようなものではありません。

酔生夢死であっても、そうでなくてもいいのです。それは人それぞれなのです。

ただ、誰しも心の深いところでは、それを知っているように思います。

本当に自分が欲する生き方というものを知りたいと思うのであれば、夢の分析やイメージ法が役に立つはずです。

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