こんにちは。夢分析の心理カウンセラーやなぎです。
河合隼雄著『人の心はどこまでわかるか』からです。
わたしもそうですが、河合も人生のかなり早い段階で、死というものを意識しだしたようです。
ある時、アメリカ留学中の河合の師であったシュピーゲルマンに対して、死についての関心のことで相談したようです。すると、シュピーゲルマンは彼に一冊の小冊子を渡しました。
それは、ユングの高弟で、夢分析の第一人者と目されていたマイヤーの書いた講義録だったのです。
ちなみに、後に河合がスイスのユング研究所に留学した際、分析を受け、大きな影響を受けたのが、そのマイヤーでした。
その講義録にある事例が書かれていました。以下、同書から引用します。
『マイヤー先生の分析を受けていた人が、面接が終わったあと何年かしてから急に連絡してきて、不思議な夢を６つほどみたけど分析してほしいといってきます。
そこでマイヤー先生は６つの夢を分析して、相手に「この夢からしたら、あなたはもうすぐ死ぬだろう」と告げます。
そこで、その人は死の準備をし、やり残したいろいろなことを全部やったあと、急に病気になって死んでしまう』（『 』内が引用部分）
この例の夢は予知夢だとかんがえられるものです。
それらの夢の分析がされてしばらくして亡くなってしまったということは、残念なことではあるかもしれません。
ただ、死の準備をし、やり残したことをやり終えてから亡くなったのですから、夢の意味を知らずに亡くなってしまうよりずっといいかたちで、人生の幕引きができたわけです。
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