Luka: What’s this?
Abby: Part of your present. Open it.
Luka: (Sighs.) Wow. Thank you.
Abby: You’re welcome.
Luka: This beats what I got you. Open yours.
(opens her gift from Luka)
Abby: A compass?
Luka: I know it's corny, but it seems we always find each other.
Abby: It’s beautiful. (Sighs) Can we talk?
Luka: Yeah sure, is everything alright?
Abby: Yeah, maybe go outside for a minute?
Luka: Yeah.
(They go outside.)
Luka: なにこれ?
Abby: プレゼントの一部。開けて。
Luka: (Sighs.)wow. ありがとう。
Abby: どういたしまして
Luka: 僕が用意したものより良いよ。開けてみて。
(opens her gift from Luka)
Abby: コンパス?
Luka: 陳腐だけど、いつもお互いを見つけ合うようだから。
Abby: 素敵。(Sighs) 話しても良い?
Luka: うん、いいよ。大丈夫?
Abby: 外に出てもいい?
Luka: いいよ。
(They go outside.)
Abby: どう言えばいいのかな
Luka: どうしたの?
Abby: この3週間、最高に幸せだった。
Luka: 僕もだよ。
Abby: こんなに笑ったり、楽しく過ごしたことは本当に長いことなかった。この時間を台無しにしたくない。
Luka: ならないよ、約束する。
Abby: ルカ
Luka: なに?
Abby: 私妊娠した。
アビー役のMaura Tierneyは素晴らしい役者さんだ。アビーの気持ちの移り変わりを控えめにかつ的確に視聴者に伝えてくれる。エピソード冒頭、ルカから頬にキスをされる直前、手に紙を持って少しボーッとしていたのはきっと妊娠が分かったからだろう。そこで突然後ろから相手が近づいてきたので大慌てで紙をケーキの下に隠している。おそらく紙は妊娠結果を示したもの。大袈裟に隠す演技ではなく、ただ驚いてるだけのようだが、後からこのシーンを見返すとちゃんと分かる。愛の薬品保管庫でも、一度彼女は言おうした。「ルカ」、の呼び掛けた後、思い直し、彼女はこう言った。You’re gonna love what I got you. ルカは何よりも家族が欲している、その気持ちをアビーはもちろん知っているし、妊娠のニュースを喜ぶに違いないと分かっている。アビーの表情は明るい。この時点で彼女は、雲一点の迷いもなく、妊娠を「プレゼント」として考えているのだ。
勤務後、ジャンボマートに寄ってスノーグローブを購入。一見、スノーグローブは適当に選んで買ったように見えるけど、シリーズを通して見ている人はどれだけ深い意味があるの物かすぐに気づく。スノーグローブはシーズン9でアビーがカーターと付き合ってる頃のクリスマスに、ルカ贈ったプレゼントだ。I miss you.と初めてアビーへの未練を口にしたけれど、カーターとの付き合いが順調だったアビーは軽やかに拒否。当然だ。優しくて大切に思ってくれているボーイフレンドを裏切るような浅はかな女性ではない。でもスノーグローブを敢えてプレゼントとして選んでいるあたり、拒否はしたけれど、その時のやりとりをずっと忘れられなかったのだろう。重要なのは、スノーグローブを渡すとき、Part of your present.と言っている。スノーグローブはプレゼントのただの一部。ここでも彼女の認識では、妊娠=プレゼントだ。(何故か英語字幕で確認すると、I brought you a presentになっていたけど、何回聞いてもPart of your presentだったので、掲示板などで確認したら後者だった。途中で台本が変わったのかも。後者の方が遥かにいい。)
ルカからのプレゼントはコンパス。常にお互いを見つけ合う、求め合う2人の象徴のような、たしかに少しダサいけどロマンチックなプレゼントだ。コンパスを眺めるアビーを見守るルカの表情が幸せそう。そこで一転して、アビーから話があると言われた後の、不安げな表情への移り変わりがとても上手い。こちらまで心配になってきてしまう。
アビーはなぜ急にそわそわしだしたのか。いざ、妊娠を伝える段階になって、怖くなってしまったのだ。スノーグローブを渡す直前まで彼女は確かに嬉しそうだった。むしろプレゼントとして、ルカに伝えるつもりだった。ただ、ルカからのコンパスを見ていて色々思い出してしまったんだろう。ルカと違ってアビーはペシミストだ。どんなにいい事もネガティブな側面ばかり考えてしまう。「一度別れたのだからまた別れてしまうかもしれない、別れた要因の一つであるお母さんもまた薬を飲まなくなるかもしれない、躁鬱病の遺伝子を持っているかもしれない私が子供をそもそも産んでいいのか、産んだ後育てられるのか、まだ研修医なのにキャリアはどうなってしまうのか。」決してルカへの気持ちが軽いわけではない。むしろ今この状態が「最高」なのに、変化をもたらしていいのか。
かと言って内緒で堕ろすという選択肢は彼女の中でないだろう。アビーは一度、前夫リチャードの子を、彼に伝えずに堕ろしている。母親の病気のことが原因で。それがきっかけでリチャードとは次第にギクシャクし出したとマギーに以前話していた。ルカはリチャードよりも子供を欲していた。例えば堕ろすという選択をした場合、彼は許してくれるだろうか。
どちらを選んでも、アビーの目から見ると2人の関係を「台無し」にしてしまうように急に感じたに違いない。
妊娠を伝えた瞬間のルカの表情も、私は好きだ。アビーが子供を欲しがっていなかったことはルカだって分かっている。このニュースが2人の関係をruinすると言っている時点で彼女の今の気持ちも推し量れるだろう。ここで、Bonesでブレナンがブースに妊娠を伝えた時のような破顔は、この2人には似合わない。