私はお皿や鉢にとらずに、鍋やフライパンから直接食べるときに、「山小屋風」と名付けています。
ソース焼きそば山小屋風とか水餃子山小屋風などと使います。
何十年も前にいつも腹ぺこだったころ、自分でチャーハンを作ってよく食べていました。しかし、洗い物が面倒くさくて、フライパンにスプーンを入れて食べていたのです。
あるときそれを母に見とがめられ、「ここは山小屋じゃないのよ」と言われました。が、かえってそれはすてきではないかと、開き直って「山小屋風」と名付けたのです。
後年、尾瀬の山小屋に泊まったら、もちろん、きちんとしたお膳にお皿がきれいに並べられて出てきました。
母が言っていたのは祖父の持っていた山小屋のことだったようです。
料理は器との調和が大事です。そのころの私のチャーハンはきっとフライパンと調和していたのでしょう。
カップラーメンを高級ラーメンどんぶりに入れたら、食欲をそそらないのです。
鍋物は鍋からよそるからおいしいのです。
りっぱな鍋をインテリアとして飾っているキッチン(台所)だって見かけます。
「美味しんぼ」という漫画でいまでも覚えているのはハンバーガーに関する回です。中身のハンバーグとパン(パテとバンズ……このことば遣いには照れてしまう)のバランスが大事で、パンが高級すぎるとハンバーグの安っぽさが目立ち、ハンバーグが高級すぎるとパンの安っぽさが目立ってしまう、だからファストフード店のハンバーガーはそこそこおいしいという内容でした。
ハンバーガーを超えて大事なことを示唆しているようです。
アニメの「美味しんぼ」はよく見ていました。主題歌がよかったのです。
さて、今日の昼食は鶏肉のフォー山小屋風でした。