年末大捕り物 | やまゆり ファーム

やまゆり ファーム

原発事故の影響で警戒区域に指定されている圏内で、 殺処分対象となっている牛の殺処分を認めない畜産農家と、いのちを守りたいと願う個人の有志が運営していた「旧ファーム・アルカディア」から引き継ぎ、2012年7月に発足した、やまゆりファームの活動レポート!

おはようございます。

いよいよ年の瀬、今年も残りわずかです。


牧場では明日から、「やまゆり牛」の個体管理および健康状態のチェックをはじめる予定です。


作業の大きな流れは以下の通りです。


1.青い耳標をつけた「やまゆり牛」を牛舎に囲い込む。

2.耳標番号と健康状態を確認のうえ、顔写真撮影。

3.ワクチン接種(寄生虫を駆除し、免疫力を高めます)。そして放牧。


以上。


これだけ読むと、ラクな作業と思ってしまいそう。

・・・が、想像してみて下さい。


見晴るかす広大な牧場。

しなやかで逃げ足の速い数百キロの牛。

その頭数、およそ70。




あしたから来場予定のボランティアさん数名の力もお借りして、2,3日でやり切れるかどうかという大仕事になりそうです。


1つ目の牛の囲い込み作業。

楢葉から浪江に移動する際、全頭に装着した青い耳標はすでに落ちてしまっている牛もいます。その場合、まず360頭余りの牛の中から、まだかろうじて着けている「黄色い耳標」を頼りにやまゆり牛を見付けだし、囲い込む必要があります。浪高し。



2つ目の作業、健康チェックと写真撮影。

3つの作業の中でもっともスムーズに進む作業かもしれません。顔写真の撮影は、今後「やまゆり牛」1頭ずつに”番号”ではなく”名前”を付けていこうと思っていることから、なるべく可愛い写真、その牛の特徴や性格を捉えた写真が撮れるとうれしいのですが、みなみな黒毛の牛たち。

人を写すのと違って、”はい、ポーズ”とカメラを構えた瞬間糞を巻き上げ駆け出していく脱兎ならぬ脱牛の後姿ばかりが記録されてしまいそう。ここもまた、浪高し。


3つ目の作業はワクチン接種。

おそらく、1頭ずつ角にロープを巻いて柱にくくりつける必要があると思いますが、暴れる、跳ねる、日が暮れる。

プラネタリウムのような牧場の夜空を、人牛一体で眺めることになりそうです。


年末の大仕事。

どうかケガ牛なく、ケガ人なく無事終わりますように。




文責:やまゆりファーム事務局