〜「ご実家をあと20年住めるように」想いに応えた工事〜

静岡市駿河区 S様邸

 

今回は、7年ほど前に約4ヶ月かけて取り組んだ築80年の古民家リノベーションの事例をご紹介します。

「築年数の経った家、建て直すべきか、リノベして残すべきか」 

「大手リフォーム会社の見積が予算オーバーだった」 

「古民家のままにしたいけど、地震が心配」

そんな方に、特に読んでいただきたい内容です。


ご依頼のきっかけ

S様からは、インターネット検索→当社ホームページ経由でお問い合わせをいただきました。

実は、地元の大手リフォーム会社さんに、先に現況調査と見積を依頼されていたそうです。

 ところが、希望予算の1.5倍ほどの工事金額を提案されたことと、

納得のいかない耐震補強計画をみせられたことで、そこから当社へご相談に来られました。


S様のお家とご要望

S様邸は、築80年ほどの古民家。 S様にとっては大切なご実家で、深い愛着を持っておられました。

ただ正直、住まいの状態はかなり老朽化が進んでいて想像を超えていました。

大手リフォーム会社が提案した工事プランや見積金額も決して悪いものではありませんでした。

ただ、S様のご要望はシンプルでした:

「最低限の耐震補強だけして、あと20年ほど住めればいい」

「全部新品の家」を目指すのではなく、古民家のままで少しは安心して暮らせる状態にすること。 

大手の「完全なリフォームで高額提案」とは、そもそも目指すゴールが違ったのです。

 

 


なぜ山内建築だったのか

「リノベを提案した」というより、そもそもS様のご要望そのものが古民家を残すリノベでした。

ここで大事なのは、こちらから一方的な提案をしなかったことです。 

お互いに優先順位を確認し合いながら、

  • こだわるところは徹底的にこだわる
  • 諦めるところは思い切って諦める

このバランスを取りながら、予算内に収めていきました。

S様の最終的な決め手は、おそらく

**「 打ち合わせ担当 = 実際に施工する大工 」が同じ人間(私)だった**

ことだと思います。

自分が現場で施工するからこそ、 「これはできる」「これは難しい」

「チャレンジはしてみるけど保証はできない」 などの細部まで確認できました。

大手リフォーム会社さんでは、営業担当と職人さんが別々なので、技術的に踏み込んだ濃い会話はなかなか難しいかもしれません。


工事の流れ・工期

工期は約4ヶ月です

幸いS様邸は当時空き家になっていたので、住みながらの工事と違って気持ち的には気軽に進められました。

 家全体を4エリアに分け、ローテーションで工事を進めるスタイルを取りました。

 


古民家ならではの「あるある」

築80年ともなると、過去に何度か増築・リフォームが繰り返されています。

 工事を進めながら、いろんな発見がありました:

  • 天井をめくったら、その裏にまた天井が張られている
  • 床をめくったら、その下に古い床板や土間の台所や囲炉裏が残っている
  • 壁は土壁なので、解体するとあたり一面ホコリまみれ
  • 床下は石場建て(いしばだて)で、基礎がほとんど無く、風通しがよかった

土壁・石破建ては昔ながらの工法で、現代の家ではほぼ見ません。

 古民家の工事は何が出てくるか分からないのが常で、長年の経験と判断力が求められます。

 


いちばん難しかった工事

S様邸で最も頭を悩ませたのは、耐震補強と古民家の開放感の両立でした。

S様のご希望は「昔ながらの開放的な続き間(つづきま)の和室や縁側を残したい」というもの。

 ところが耐震補強のためには、どうしても耐力壁が必要です。

  • 欄間(らんま)を残しつつ、襖や障子しかなかった部屋に真壁の耐力壁をどう設置するか
  • 耐力壁で開放感が失われた和室に、どんな建具をどう取り付けるか

このバランスを取るのが、本当に難しいところでした。

 ひとつひとつ図面を書き直し、現場で調整しながら進めていきました。

 


費用感(参考

工事全体で約1,000万円ほどでした(当時)。

大手リフォーム会社さんでは1,500万円規模の見積だったとのことなので、

予算を1/3ほど抑えて、必要な耐震補強と内装更新を実現できたかたちです。

「お金をかければ何でもできる」のではなく、優先順位をつけて、必要なところに集中投資する

これが小規模工務店の腕の見せ所です。


完成後のS様のご感想

完成後、S様には大変ご満足いただけました。

「最初のリフォーム会社だったら、

  この工事は出来なかった。

  山内さんに頼んでよかった

これ以上のお言葉はありません。

本当にありがたく、職人冥利に尽きます。


古民家を残したいと考えている方へ

正直、築年数の経った家は、大地震のことを考えれば建て直したほうが安全な場合が多いです。

ただ、今回のS様のように、

この家を、なんとか残したい

という強い想いをお持ちの方は、その熱い気持ちを地元の工務店に向けてください。

  きっと、それに応えてくれる工務店があります。

私自身、正直に言って、S様の情熱に乗せられて、この工事を引き受けたところがあります。

 でも、そういうご縁こそが、この仕事の醍醐味だと思っています。


ご相談はお気軽に

山内建築では、古民家のリノベーション・耐震補強のご相談を承っています。 

「うちの実家、リノベできるか見てほしい」

「大手に断られたけど、別の意見を聞きたい」

というご相談もOKです。

 

 

 

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