Tanglewood 音楽祭 75th Celebration に行った際、Norman Rockwell Museum（ノーマン・ロックウェル美術館）に寄りました。タングルウッドからは車で１０分程度のStockbridgeという町にあります。
名実ともにアメリカを代表する人気画家、イラストレーターであるNorman Rockwell(1894-1978). ボーイスカウト協会の雑誌『Boys' Life』のための絵を製作したのち、1916年から４７年間、『Saturday Evening Post』誌の表紙を手がけたことで有名。Saturday Evening Post誌の表紙は３２２点にものぼり、その作風はアメリカ市民の生活を巧みに描き、ユーモアやぬくもりにあふれています。とりわけ顔の表情や小道具・洋服などの細部の描き方には非常にこだわりを持っており、するどい観察力と妥協をゆるさない綿密な描写により、彼の作品には見る者に訴えかけてくる強いエネルギーがあります。
５０年代に入ると、アイゼンハワーやジョン・Ｆ・ケネディなど政治家の作品も発表されました。１９６３年にSaturday Evening Post誌との契約が打ち切られたため、翌年に『Look』誌に移ります。その後Look誌で８年間作品を発表し続けました。この頃には、自らが関心を寄せていたテーマ（人種問題や公民権運動、貧困の絶滅など）を題材にした作品を多く残しました。
数多くの作品が展示されておりますが、ブログでは数点だけご紹介いたしますね。
''Golden Rule (黄金律）''
ロックウェルは『黄金律』が世界中の宗教すべてに共通なテーマであることを訴えたいと、尊厳と尊敬を込めてすべての民族、信教、人種を描きました。「おのれの欲するところを人に施せ」の銘が刻まれています。
''Vacation''
この作品はオモシロい。上半分はバケーションに向かうときの場面。こどもたちははしゃいでいて、お父さんお母さんも表情が明るいです。
下半分はバケーションの帰り！お母さんは疲れて寝ちゃうし、お父さんもグッタリとしていて眠気との闘い。子供たちも退屈している様子。
ただ、おばあちゃんだけが、行きも帰りもまったく同じ表情というのが笑えます（笑）
"The Problem We All Live With"
連邦保安官に守られながら、公民権運動の一環として初めて黒人の少女が白人の通う学校に通おうとする場面。
壁には人種差別用語のいたずら書きと投げつけられたトマト。
でも、新しい真っ白なドレスを着て颯爽と歩く少女の表情は誇らしげにみえますよね！
この作品のタイトルを忘れてしまいました。。
手前の男女がまるで浮き出しているような作風。ボクサーの表情も活き活きと描かれています。
個人的には、この作品がお気に入り。
''Girl at the Mirror''
雑誌の中の憧れの女優さんの真似をしてポーズや表情を作っている少女。
お母さんのものと思われるお化粧品が足もとに転がっています。幼気な乙女心を描いた可愛らしい作品。
地階には、Saturday Evening Post誌の表紙が多数展示されています。
敷地内には、Norman Rockwellのアトリエも残されています。
無理な体勢の３人のオブジェがおもしろかったｗ
