網膜剥離 その７
網膜剥離 その７
四月に入って、暖かな日。
看護師さんが、
気持ちよいでしょうと、窓を開けた。
春風が顔に当たって気持ちが良かった。
そして、
桜が綺麗、とつぶやいて、
はっとたしたように、
ごめんなさいと言われた。
いや、別にと答えた。
なにも気を遣ってではない。
見えたのだ。
レンゲ畑の向こうの菜の花の向こうの桜が。
原風景だろう。
とても綺麗な桜が見えた。
後になるが、その桜を探しに行った。
もうレンゲ畑はなかったが、
いや、レンゲがなかったが、
菜の花の向こうに桜があった。
小学生の頃、レンゲ畑で相撲をとったりしていたところの桜だった。
では、また。
北の丸でのお花見
もう３５年も前になる。
Ｍａ・Ｎａ・Ｈａ先輩と、
後輩のＯz・Ｓｕ・Ｏｇらとで、
お花見をした。
ただお花見をしてもつまらない。
どうせなら、現代版落語の長家の花見をと。
Ｓｕさんが、パンに海老の尻尾を刺して海老フライに。
もちろん、ちゃんとした尻尾のない海老フライも。
そして、伝統の音のする卵焼きも。
いろいろ用意してもらった。
茶柱がある日本酒の一升瓶も。
北の丸公園は酒類持ち込み禁止だった。
でも、一升瓶を持って花見。
アルコールなし。
酔った振りをしたり、楽しい内輪の花見だった。
しかし、それだけではつまらないと、
一升瓶を交代で持って、なるべく、お巡りさんに合うように歩き廻ったが、
酒類持ち込み禁止の注意も受けなかった。
演技力が足りなかったのだろうか。
では、また。