はじめに

 ここの所、「万葉集と伊予(宇摩)」に追われて、「やさしい古事記講座」が、停止状態になっています。丁度、大国主が根の国脱出で一段落したのと、大国主とスセリビメと思われる歌があった事から、歌と宇摩に進んだのです。

 調べ直すと、万葉集に宇摩の歌が多くあり、止まらなくなったのですが、(5)まで進み、一応の話が出来た所で、古事記に戻したいと思います。しかし、万葉集の8には、額田王の「ニキタツニ 船乗りせむと月待てば、、」などがある。

 この歌の紹介には、宇摩郡土居町の八日市の砂浜の写真などが必要で、これを探してアップしてからの方が良いと判断して、古事記に戻ることにした。少し、古事記から遠ざかったので、前後の害尺からはじめる。

  八上比売(前半復習)

 八上比売は、先に、助けたウサギが、「大国主が得る」と予言して、八十神は得られず、予言の通りなった、と言う話があった。この八上比売が再び登場するのが次回である。そこで、今回は前編を復習しておこう。

 大国主が八上比売を得てから、八十神の迫害が続き木の国の大屋毘古の神の元にに逃げますが、八十神が追ってきて、オオヤビコの忠告のままに、「根の国のスサノオ」を訪問します。

 ところがここでも、「蛇の室」「ムカデと蜂の室」、野に放った「カブラ矢」を探しに行く等、スサノオの試練が続いたのですが、これらの根の国の試練を一応卒業をすると、高天原のスサノオの家に招待されます。

 生大刀・生弓矢・天詔琴を持って、スセリビメと脱出をすると、スサノオは大国主を遥かに見て、「生大刀・生弓矢で八十神を追い払い、大きくしっかりした家を建てて、スセリビメを制裁にしろ」と、叫びます。

 この叫んだ場所の話から、大元神社になり、宇摩の話、万葉集へなった。と、ここまで進んできました。根の国を脱出すると、八上比売が訪ねてきます。これも、八十神が追えなかった場所(根の国とあるが高天原)だったことを示します。

 宇摩説の解説は、幾つもの証拠が彼方此方にある。これは、神話が史実であり、場所が特定できれば、迷彩などで隠しても、話のあちこちに関連が残ることで、史実が判明する。だから、宇摩説は神話を追えばよいと言う状況ではない。

 アチコチになるので判りにくい面が多いだろう。が、荒野を切り開いた「宇摩説」は、単純に説明しても、なぜそうなるのかと疑問が出てくるので、常識と違った解釈には、出来るだけ、その時に気付くさまざまな、解説をしているために起こっている。

  八上比売と八十神(前編)の読み下し

   読み下し

 かれ、其の菟(うさぎ)、大穴牟遅神に白ししく、「この八十神は、必ず八上比売を得じ。袋を負へども、汝(いまし)の命がこれを獲(え)む」ともおしき。

 ここに八上比売、八十神に答え言ひしく、「吾は汝(いまし)等の言うを聞かじ。大穴牟遅神に嫁(あ)はむ」と言ひき。

 故、ここに八十神怒りて、大穴牟遅神を殺さんと共に、議(はか)りて、伯伎国(ははきのくに)の手間(てま)の山本に至りて、いひしく、「赤き猪、この山に在り、故、和禮(われ)共に下に追いしなば、汝は待ち取れ」。
「若し待ち取らずは、必ず汝(なれ)を殺さむ。」と言ひて、

火をもちて猪に似る大石を焼きて、転(ころ)ばし落しき。
ここに追い下ろすを取る時、すなはち、その石に焼き著(つ)かえて死にき。

 ここに、その御祖みおや)命、哭き患(うれ)ひて、天に(まひのぼ)りて、神産巣日之命に請(まを)しし時、すなはち討<下に虫>貝(きさがひ)と蛤貝(うむがひ)比売とを、遣はし、作り活(い)かさしめたま ひき。

 ここに、討<下に虫>貝(きさがひ)比売、岐佐宜(きさげ)を集めて、蛤比売待ち承(う)けて、母(おも)の乳汁(ちしる)を塗りしかば、麗(うる)はしき壮夫(をとこ)に成りて、出(い)で遊行(あそび)き。

  宇摩説の解釈

  この後、八十神は各地から集まった若者で、高天原の指導によって作られた「演劇集団」であること。これらは、「ウケイ」によって、兄弟となっている事。八上比売は独りではないこと。これらを説明した。

 これらの記事は、少し間が開いているので、先に書いた「八十神の迫害や八上比売」の記事URLを載せる。初めての人や、忘れた人は、覗いてください。

 (142)ウサギと八上比売(5・30)
http://kabu003himiko.iza.ne.jp/blog/entry/591145/

 (144)八上比売と迫害(6・3)
http://kabu003himiko.iza.ne.jp/blog/entry/595639/

 (145)宇摩説解説(6・4)
http://kabu003himiko.iza.ne.jp/blog/entry/596730/

  (146)八十神の迫害(6・5)
http://kabu003himiko.iza.ne.jp/blog/entry/598119/


 これらで、思い出して頂ければ、より詳細になろう。

  次回の「八上比売(後半)」

 前回、スサノオの宝物と、スセリビメを連れて、根の国を脱出した。脱出した、オオクニヌシの元に、八上比売が子供を連れてきます。簡単に言えば、間が開いているが、先の話の続きとなります。

 これが、宇摩説で解いた解説と次回の解説に矛盾が無ければ、古事記の歴史的解説(宇摩説)は、史実に近いといえる。ただ、この部分は少ないので、次回に、原文。直訳、宇摩説を同時に書けるだろうと思う。

 宇摩説が前後に矛盾無く解説できるか、、、お楽しみに


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