前回で「八十神の迫害」を終わったので、次の原文に移る。ただ、原文の内容(八十神の迫害)は、先の話にも続いている。そして、内容から、先の宇摩説の解釈が正しいことが判る。

 つまり、大国主が、再び劇団に復活したから、面白くない先輩が再び悪さをしたようである。その様子から次の話が始まる。これで、宇摩説の解釈は証明されたと私は思うが、、、。

  根の国訪問1

 前回で、大国主は演芸団に復帰した、と解いた。しかし、先輩たちへの女神の忠告は無駄だった様だ。自分たちの将来が掛かるから、一団の公演中の誓約が外れると、また、露骨な細工が行われたようである。

 また、ここでも絞殺とあるが、今度は治療の話が無く、木の国に送り出している。死人が木の国に旅立つ事は無かろう。つまり、再び、首にしたのである。これによって、大国主も、母も失敗で追い出されたのではないと判る。

 こうして、御祖命の忠告によって、木国の大屋毘古之御所へ行く。が、此処も安全ではなかったようだ。

  原文

 於是八十神見、且欺率入山而、切伏大樹、茹矢打立其木、令入其中、即打離其氷目矢而、拷絞殺也。


爾、亦其御祖命、哭乍求者得見、即、折其木而、取出活、告其子言、汝有此間者、遂為八十神所滅。乃違遣於木国之大屋毘古神之御所。


爾、八十神覔追臻而、矢刺乞時、自木俣漏逃而、云可参向須佐能男命所坐之根堅州国、必其大神議也。

  現在の解釈

 ここに、八十神見て、また、欺きて山に率き入れて、大樹(おおき)を切り伏せ、茹矢(ひめや)をその木に打ちて、其の中に入らしむる。即(すなわ)ち、其の氷目矢を打ち離ちて、拷絞(う)ち殺しき。


 ここに、また、其の御祖命、哭(な)きつつ求(ま)げば、見得(みえ)て、すなわち、その木を折りて取り出で活かして、其の子に告げて言う、「汝(いまし)、此の間にあらば、遂に八十神のために滅ぼさえなむ」といひて、すなはち、木の国の大屋毘古神の御所に遣りき。


 ここに、八十神、覔(ま)ぎ追ひ臻(いた)りて、矢刺(やざ)し乞う時に、木俣(きのまた)より、漏(く)き逃がして、云(の)りたまいひしく。「須佐能男命の坐す所の根堅州国(ねのかたすくに)に参向(まいむか)ふべし、必ず其の大神議(はかり)たまひなむ。」と、のりたまひき。

  現在の語義

茹矢(氷目矢。ひめや) 楔の様なものか。
木の国 紀伊の国。和歌山県。
矢刺(やざし) 矢を弓につがえて、オオナムチヲダセと所望知るとき。
木俣漏逃(きのまたよりくきにがし) 木の股からこっそり逃がして。
大屋毘古(おおやびこ)神 イザナギ・イザナミの子にあり。家屋の神。(角川文庫)

  今の解釈に思う

 私など頭が悪くて、この解説では理解ができない。特に、絞殺されたのか、ヒメヤで死んだのか、また、今度は高天原に訴えないし、なぜ生き返ったのか?が判らないのだが、これで学者の解説は終わりなのだ。

 頭の良い人には、これですっきり理解できるのだろう。しかし、私はすっきりしないので、現実的なすっきりする解釈を次回以降で行おうと思う。

 最初に、前回との関連を書いたので、ヒントはあると思う。

 本当は、どのような話なのか、現実的解釈を前後に一致させて、解いて行こうと思う。それまでに、この話の面白い解釈があれば、また、宇摩説はどう解くのか、コメントください。楽しみに待ってます。

 なお、次回まで数日空ける予定です。


=======================( ̄▽+ ̄*)
 相場師ブログランキング  人気ブログランキング【ブログの殿堂】 ありがとうございます
二つの「ポチ」が、大きな励みになっています