先月末まで、僕はシドニーの日本式居酒屋でウェイターのアルバイトをしていました。
そのときの話です。
あれは8月末頃だったと思います。
僕はシフトインしたら、どれくらい客がいて今何をすべきなのか、
現状を把握するために、店内を一周して各テーブルを見て回るのが習慣でした。
その日もいつも通り、店内を回っていると、
「マジで?マジで?へ~そうなんだぁ。」
芯のあるダンディーな声が聞こえてきました。
うちのお店のお客さんは、欧米人が4割、中国系が4割で日本人は1割にも満たないので、
(お~、今日は日本人がいるなぁ)
と、ふとテーブルを見てみると、そこに座っていたのは、
やはり日本人の女の子。
(いや・・・声が明らかにダンディーなちょい悪おやじ風だったぞ)
そう思い、その女のこの向かいに座っている人を見ると、
(オ、オーストラリア人!!!?)
オージーのおっちゃんが流暢な日本語でその女の子と談笑していました。
(オーストラリア人が“マジで?”を使いこなしている・・・)
これにはさすがに驚きました。
実はオーストラリア人が高校で学ぶ外国語の中には日本語も含まれており、
僕が出会ったオーストラリア人も多くが日本語のあいさつと数え方を知っていたので、
それくらいのことでは驚かなくなっていましたが、
まさか、ここまで日本語が流暢に話せるオーストラリア人がここにいるとは・・・
オージーのおっさんは楽しそうに、女の子と2時間余り談笑し、帰って行きました。
日本語も捨てたもんじゃないね。