1868年に明治政府が誕生して以来、日本は近代化への道をひたすら突き進んでいました。

当時の東アジアは、清（中国）がアヘン戦争や北京条約で欧米列強に次々と土地を割譲され、それまで長い間中国を中心として築かれていた国家体制が崩壊し、ベトナムやモンゴルといった中国周辺諸国が次々と清から独立していきました。

そんな日本と清に挟まれた朝鮮（李氏朝鮮）だけは依然として中国を宗主国として服属する姿勢を維持していました。

その朝鮮でもすでに開国派と鎖国派の争いが起きており、通商を求めたフランス・アメリカ船を撃退したという事実から朝鮮国内では鎖国体制を維持するという意見がより主流でした。

1871年（明治4年）には清との間に日清修好条規を締結します。これは日本が外国と果たした最初の対等条約です。

日本は続いて朝鮮とも国交を結びたかったのですが、朝鮮は日本の態度が気に食わずこれを拒否します。

日本は1875年（明治8年）に開国を渋る朝鮮に対し、江華島にて威嚇砲撃を行い、開国を迫ります。

これにより実際に死者が出たことから、朝鮮は日本への態度を軟化せざるを得ず、翌年には日本との間に日朝修好条規を締結し、「朝鮮は独立国であり、清に服属する必要はない」という項目を認めさせました。

朝鮮国内では清派（保守派）と日本派（開国派）に分かれて内部抗争が続いていました。

1884年（明治17年）清国と親密な関係を持つようになった朝鮮政府に対してクーデターが起こります。

朝鮮から日本と清に対してそれを鎮圧するように要請しました。

その際に清国軍との間で小さな戦闘が発生し、日清の関係は緊張状態になりますが、この際には国際情勢を鑑み、日本と清の間で「日本も清国も朝鮮に軍を常駐させない」という天津条約を結び一度は戦争を回避します。

しかし、1894年再び朝鮮で反乱が起こり、再び日本と清は兵を送り、鎮圧にあたります。

清国は日本は朝鮮在中日本人を守るためにと言っているが、実際は清国の影響力を朝鮮から排除する為に出兵しているのだろうと考えていましたし、日本は清国が軍を派遣した勢いで朝鮮を支配を強めようとした時に、それを武力でもって阻止すると考えていました。

朝鮮はこのままでは朝鮮半島が戦場になると恐れて反乱軍と早期和睦をし、反乱はおさまりました。

反乱がおさまれば、日清両国が朝鮮に兵を送った理由は失われます。朝鮮政府は日清両国に対して撤兵を求めますが、日本はこれを拒否します。

そして.日本は朝鮮を独立させて、清国の影響力を抑えたかったので、1894年7月19日朝鮮の独立が保たれないから7月22日迄に清国の兵を撤退させろとでなければ日本が清国を追い出してやる要求します。

朝鮮がこれを拒否すると日本軍は朝鮮王宮に進軍。

クーデターを起こして親日の傀儡政府を樹立させて、朝鮮政府を味方につけた上で武力による清国軍の追放を実行します。

こうして日清戦争が勃発します。

朝鮮各地や、遼東半島、山東半島で戦いが繰り広げられますが、ことごとく日本が勝利していきます。

遼東半島は、清国の首都である北京に近く、朝鮮にも隣接し、良港を持つという東アジア屈指の超重要拠点でした。

日清戦争は、多くの国々が「清国の勝利だろう」と考えていました。それが終わってみれば、日本の快勝。

なぜ日本は多くの国々の予想に反して大勝利したのでしょう。

理由は、日本軍の武器や艦隊の方が優れていた事もありますが、国内の世論が日本は「打倒清国」で一致していたのに対して、清国は日本との戦争に対して和戦両論に別れていて、戦争に対しての士気が上がらなかった事が影響していたようです。

優れた兵器と戦術と兵士の士気が揃っていた事で大国清を凌いだと考えてられます。

遼東半島と山東半島を攻略された清は日本に対し講和を申し入れ1895年4月下関で朝鮮の独立と遼東半島と台湾、澎湖諸島の割譲、３億１０００万円の支払いなどが盛り込まれた下関条約が締結されました。

しかし、遼東半島を狙っていたロシアがこの条約に猛反発。

フランスとドイツと共に遼東半島を返還せよと脅しをかけてきました。

これを三国干渉と言います。

朝鮮を狙うロシアは日清戦争を静観していましたが、日本が遼東半島を奪ったと知ると、ロシアもいよいよ日本に対して動き始めてきました。

こうして、今度は遼東半島と朝鮮半島を狙うロシアとの間に亀裂が生まれました。

日露戦争編に続く...

日本の近代史 日清戦争編