今回は中国の代表的史書である史記と、日本の代表的史書である古事記を基に、さらに深掘りして、もう少し核心に迫ってみたいと思います。

まず、史記の神話的記述に、「三皇本紀」と「五帝本紀」があるのですが、それを読み解くと以下のような史実が見えてきます。

三皇とは、「天皇」と「地皇」と「人皇」で、天皇氏は12人の兄弟が王位に就く、地皇は11人が王位に就く、人皇は9人が王位に就くとされています。

ここで、古事記の記述と照らし合わせると、天＝高天原→九州、地＝葦原中国→出雲を中心とした中国地方となるので、失われた10部族にとっては、天＝古代イスラエル、地＝古代中国ということになります。

したがって、天皇氏の12人は古代イスラエルのヤコブ（別名：イスラエル）の息子12人の部族に該当し、天皇→日本の天皇につながるとすると、古代イスラエルが日本の天皇家につながることになります。

また、地皇の王位に就いた11人は、古代中国を指すので、周代の主要諸侯国魯斉晋秦楚宋衛陳蔡曹燕の11国と捉えることができます。

さらに、人皇の王位に就いた9人は、古代中国（図の禹貢九州図）と古代日本（倭国→高天原→九州）の両方の九州を治めた王と捉えることができます。

そして、以前にもお話しましたが、中国・朝鮮半島・日本に伝わる三足烏（八咫烏）の3本の足は「天」と「地」と「人」を表すとされています。

一方、五帝とは「太昊・伏羲」「炎帝・神農」「黄帝・公孫・軒轅」「顓頊・嚳」「堯・舜」の組み合わせで色々な説があり、五帝は前述の伝説の夏王朝の王にも関係するのですが、これらの王と周や殷の王および羌と倭が相対比較年表の図のように重ね合わされ、天皇氏の12人が王位に就いたとされる太歳の寅の年を夏王朝（名目上夏だが実際は羌）建国年（孝昭天皇即位BC475年が太歳丙寅なのでそこから超辰を考慮して逆算すると 475+12*20-(12*20/85)= BC713年）となり、太公望呂尚が軍師として周と共に殷を倒し斉を建国した年を神武天皇即位とされるBC660年とすると、上手く当てはまってきます。

そして、帝嚳と正妃：姜原（羌族の象徴？）との間に周王朝の祖が誕生し、帝嚳と次妃：簡狄（北方系民族の象徴？）との間に殷王朝の祖が誕生するので、夏は周と殷の共通の祖先で、そこから周と殷に別れ、殷で鬼神崇拝が行われるようになり、周の融合相手である羌族を生贄にするという暴政が始まったのではないかと想定されます。

殷は数百台の戦車を有し戦闘に長けており、周辺国家（羌だけでなく当時周も殷の属国だったらしい）を攻めては捕虜を捕まえてきて、生贄にしたり兵隊として組織したりしていたようで、鬼神崇拝に伴う14,000体という大量の生贄にされた人骨が見つかっているようです。

殷

ja.wikipedia.org

次に、太安万侶による古事記序文の一節に、以下のような中国・朝鮮史と大和史への重ね合わせ（意訳と原文）を見出すことができます。

「即ち、牛を放ち馬を憩わせ、愷悌（和やかに）華夏（中華思想の自国美化用語→夏王朝）に帰り、旗を巻き矛を収め、踊り歌いながら都に留まられる。」

　乃、放牛息馬、愷悌歸於華夏、卷旌戢戈、儛詠停於都邑。

「梁（呂氏）は歳を重ね、月氏は交ざり合い、（旧満州の遼寧省撫順市辺りの）清原の偉大な宮殿で、天の位（高句麗大王：朱蒙）に昇り詰められた。」

　歲次大梁、月踵夾鍾、淸原大宮、昇卽天位。

「道は黄帝を過ぎ、徳は周王を越え、天の印を握り、天下を束ねて、天子の血統を得て、国の隅々まで治め、」

　道軼軒后、德跨周王、握乾符而摠六合、得天統而包八荒、

「陰陽の正しい方に乗り、（斉太公世家の序文5行にある通り太公望呂尚は）神の理を設けて良い風俗を薦め、優れた風潮を敷き国（斉）を広められた。」

　乘二氣之正、齊五行之序、設神理以奬俗、敷英風以弘國。

「重ね加えて、海のように智は広大で、深く大昔を探り、鏡のように心は輝いて、明らかに先の代を観られる。」

　重加、智海浩汗、潭探上古、心鏡煒煌、明覩先代。

そして、以前に「邪馬台国のFAQ」で紹介させていただいた通り、その後、斉は田氏に乗っ取られるのですが、呂氏系の晏孺子らは魯に亡命後淮河下流域の未開の地淮夷辺りに潜伏し、呉を追われた夫差らと共に朝鮮半島に渡り古朝鮮を建国し、秦や漢王朝の武帝以前までは海神として王朝と良好な関係を保ちながら交易を行い、遂には日本に渡来して「倭」を建国し、ユダヤの痕跡を残すことになるのではないでしょうか。

邪馬台国のFAQ

http://yamataimichi.g1.xrea.com/faq.html

今回はここまでにして、次回にその痕跡をアジアの国々と日本から見つけ出して、その足跡をもう一度振り返ってみたいと思います。

お楽しみに！

ユダヤの軌跡②