昨日の中容疑者の逮捕を受けて、舞鶴事件被害者遺族代理人として会見をしたのですが、今日の新聞報道などにおけるその扱いについて書いてみたいと思います。

以前のブログで「犯罪被害者支援とマスコミ」を書いたときにも触れましたが、各社のスタンスが明確に分かれています。なお、記者会見には新聞、テレビのほぼ全社が出席していたと思います。


(産経新聞)

見出し

「女性刺殺未遂容疑 逮捕の男 舞鶴事件で無罪元被告」

記事

「小杉さんの母親の代理人弁護士は5日、京都市内で会見し、中容疑者の逮捕に『驚きとともに憤りを感じた。一番恐れていたことが現実となってしまった。捜査機関には真相解明に向けて全力をあげてほしい』とする母親のコメントを公表した。

 母親は弁護士と電話で連絡した際、『(逮捕の一報を聞いて)鼓動が激しくなった』と心境を語り、『被害者が回復して事件の真相が明らかになってほしい』などと話したという。


(毎日新聞)

見出し

「中容疑者、女性刺す 舞鶴高1殺害で無罪確定」

記事

コメントなどには触れず


(朝日新聞)

見出し

「刺し傷11カ所に『正当防衛』供述 大阪、刺殺未遂容疑」

記事

コメントなどには触れず


(読売新聞)

見出し

「女性刺され重傷 無職66歳男逮捕 大阪、殺人未遂容疑」

記事

コメントなどには触れず


(京都新聞)

見出し

「女性殺人未遂疑い 舞鶴高1事件無罪の男」

記事

コメントなどには触れず


結果的に、母親のコメントなどに触れているのは、産経新聞のみとなっています。分量や扱いも一番大きくなっています。


読売新聞は、舞鶴事件には全く触れていません。他の記事は、少なくとも文中に舞鶴事件で無罪の男という記述があるなかで、特徴的に思えました。


朝日新聞の見出しは、シニカルな感じがして興味深く読みました。


純粋な感想ですが、京都新聞が母親のコメントに触れていないのが意外に感じました。


無罪が確定していることをどのように解釈するか、ということで各社のスタンスが分かれたのでしょう。なお、時事通信は、ネットの記事で母親のコメントに触れているのを読みました。


一方で、スポーツ紙は、各紙とも大きく取り扱っていました。その中で、母親のコメントに触れているのは、サンケイスポーツだけで、ここからも会社(産経グループ)のスタンスというものが感じられます。


テレビはそれほど見ることができていないのですが、ニュースではあまり母親のコメントは取り上げられていなかったようで(NHKの京都ニュースでは触れられませんでした)、朝のワイドショーではそれなりの時間が割かれていたようです。


今回は、各社の対応の違いとともに、一般紙とスポーツ紙、ニュースとワイドショーで扱いが違うということになっています。感覚的には、そうなるのも分かるような気がしますが、理屈では説明が難しいように感じます。このことは、また考えてみたいと思います。