自分のいのちは自分で守る…の教訓

家が燃えていた。信号待ちをしていたすぐ先。10メートルもあっただろうか。何人かの人がうろうろしていた。
左に曲がって、別の道で帰ることもできた。
でも、でも、その前を通ってみたい。まだ消防車も来ていない。野次馬根性丸出し。
信号よ、早く青になれ。結局直進をすることに決めた。
煙がもうもうと出ていて、先が見えない。ここでぶつかってはいけない。
あっ人がいる。横断歩道だ・・・でもその先も見えない、ここはどこ・・・
少しずつ進んでいくと、花まるうどんの看板がみえてきた。
見える!よかった!その先は何事もなかったように人も車も進んでいる。
人が何人か出ていて、話している。
まだ、消防車の音はしない。こんなのだからきっと誰か連絡しているよね。

そのうち車の中がきな臭い。木が燃えたようなにおいだ。
その煙を吸って、自分がいかに愚かな選択をしたかに気が付いた



煙の中を走ったこと。何にも見えないところを走ったこと。事故を起こさなくてよかった。
煙を吸ったこと…有毒ガスが出ていたら私は吸った途端に死んでいた。
やはり左折して別の道を帰るべきだった。

家に着いた頃、消防署がサイレンを鳴らしていた。

30分後に我が家に来た人がいたので、道どうだった?火事どうだった?
「渋滞で、違う道を来ました。燃えた家は見えませんでした。」と言っていた。

翌日も車の中はきな臭いにおいが残っていた。

危機管理、自分のいのちは自分で守る。決して野次馬根性など出さない。
安全な道を通る…自分に言い聞かせた。