かすてぃら  さだまさし
面白かった!というと叱られるだろうな。お父さんがなくなる話なのに・・・・
お父さんの人生、生き方、筋の入った生き方を、さださんは「好物のかすてぃら」と時間を縦軸、逸話を横軸にして絡めて描いているので、笑ってしまうのだ。(それにしてもさださんはいい人に巡り合って生きてこられたんだ。)
 原爆の後遺症で亡くなったおばさん、交通事故で亡くなった従弟(実話かどうかは分からない)を「精霊流し」で書いている。そして今度はお父さんだ。登場している人物がいい人なんだ。
 弟が長崎に住んでいたので長崎の話はよく聞く。幼馴染の飯尾さんが、長崎に引っ越してずっと今まで住んでいる。長崎は好きなところだ。「長崎の人」「思案橋ブルース」[長崎の夜は紫」などが流行してから、数回行ったこともある。
 登場する場所、物なども実際知っているので、(「茂木港」も懐かしい。)
いつもながら引き込まれ早々と呼んでしまった。そしてまたところどころ読み返してみる。「お父さんはヤクザ?」東京のお父さん」の章・・・・なかなか手放せない。後をひく本だ。
 もう図書館に返却しようかなと思っていた頃(まだ手元にあるが・・・)友人とカラオケに行った。下手ながら「歌えないけどごめん」と言いながら「風に立つライオン」を歌った。私も友人も歌い終わる頃は涙を流していた。感度の同じ友人を持てて幸せと思った。その友人は「精霊流し」を選曲して、やはり最後は涙を見せていた。「彼の曲はいいねー」
 12月松山で彼のコンサートがある。行こうかと相談がまとまりつつある。
 さあ、本を返しに行こう。友人に勧めよう。「読みや」と。