ぐるりのこと  梨木香歩
 1年くらい前に友人から送られてきた「梨木」シリーズの1冊。もうそろそろ返さなければと思い読み始めた。まだ、完読ではないが、読みながら考えさせられたことがある。
 作家は勉強家だということ。調べるのも原点から調べる。梨木さんにしろ、佐伯泰英さんにしろ、宮尾さん、遠くは松本清張さん。取材と言えば取材だが、半端でないことが分かる。
自分に置き換えるとわからないことは辞書で調べる。参考文献で調べる。でも、それは人が調べたことを読んでるに過ぎない。作家さんみたいに古書をひも解いてとか、何冊も関連文書を読むとかいうことはしなかった。ただ人に知識を借りたに過ぎない。それで知ったつもりになってた。
 今治で知り合いになったKさん。彼も素晴らしい。足で調べ、古文書で調べ「まだまだ勉強が足りない」という。歴史の話を聞けば深い知識、自分で調べたあげたことを教えてくれる。
 勉強ってなんだろう…と思う
東京に詩人の友達がいる。私が勝手に彼女を「詩人」と言ってるだけなんだけど、彼女の書いた詩はいつも心打たれる。震災の時は「なかなか書けない」といっていたが「今年の年賀状には「踏み出す」という詩にまとめていた。彼女が梨木さんの本を期限無期限で貸してくれたのだ。やはり彼女が好きな作家だけある。どこか似通っているところがあるのを感じる。
 「群れの堺界」の章では、高千穂峡近くのシカの話、ラストサムライから西郷隆盛藻で言及して日本人の「群れ」意識を書いている。鹿児島の「西郷隆盛」像も違った側面から見ると、そうなのか!知らなかった!ということがあった。それもなかなか興味惹かれることではあった。
 次は「風の巡る場所」を読もう。