ボランティアな・・・・こんな言葉があるかどうか?ボランティア精神旺盛で積極的に活動している友人がいる。その精神にあふれた気持ちの人を私は「ボランティアな人々」と呼ぶ。
 
 毎週金曜日、老人ホームにお茶サービスのボランティアに行っている。ほんの1時間半だが始めて8年は経つだろうか。都合のつく金曜日は参加している。いつの間にか8年もたっていることに驚いている。
 
 なぜそんなに続いているのかと考えると、その仲間がいい人たちだからと思う。「喫茶スマイル」は、毎週金曜日と火曜日に開いている。それぞれ3人から5人のメンバーでお手伝いしている。
 金曜日の仲間は5人。、私以外の人はS会病院の案内係もしている。
 そのほかT さんは、父子家庭のお料理サービスをするグループにも参加している。気持ちを込めて作リ、感謝された。お父さんが再婚するまで続いた。終った頃は「あの子どうしているかしら」となんだかさみしそうだった。
 Yさんは病院に行く人の付添を頼まれたり、傾聴グループにも参加している。毎日ボランティア活動で忙しそうなのに、喫茶スマイルにも参加しているのだ。
 あとの二人は私たちよりうんと若いのだが、子育て中なので、参観日などの行事を縫って、お仕事も金曜日を休みにして参加している。
 この4人の人たちは「神様のようだ」と私は常々思っている。こういう奉仕精神の富んだ人は私のそれまでの人生には現れなかった。報酬は無しか、あってもそんなに高額ではないだろう。
 
 手話通訳のボランティアをしていた友人は、やはり無報酬で、そんなに長い間できない・・・手がつかれるのだそうだ・・・と言っていた。そんな資格のある人しかできないと思っていたが、「お手伝いしませんか」と言葉に誘われて参加した「喫茶スマイル」は、お手伝い心さえあればできる。仲間が神様みたいな人たちで、少しくらいしんどくても休まずに行こうと思う。あって楽しいからだ。そしてホームの人や、職員の人の助けになればという気持ちで続けられた。
 
 職員の人たちは本当に大変そうだ。お仕事といえばそうなのだけど、それだけでは片づけられない気持ちがあるからできる仕事だと思う。
 ほんの1日の午後垣間見るだけなのでもそう思うのだから・・・・みんな腰にコルセットをしている。腰痛予防なのだろう。寝たきりの人には介助して、コーヒーや、ケーキを食べさせてあげる。お風呂の日だと、喫茶の介助とお風呂登番と、お風呂に入っている間にはシーツ交換などどの休む暇なく動いている。お仕事とはいえやはり「ボランティアな人々」なのだ。
 
 私たちの仕事は、コーヒーを準備すること、注文を聞いてお運びをすること、栄養士さんが考えたお菓子をアレンジして添えて出すこと。ココアや、コーラーを注文する人もいる。呑み込めない人には「トロミ」剤を入れる。使った食器を洗う。後片づけもする。
 
 母が施設に入って、多くの人のお世話になることになった時、何かお手伝いがでいないかと思った。でもその施設にはそういうシステム(「ボランティア」を頼むという仕組み)がなかった。私が母の施設でお手伝いといってもきっと母だけ目が行くことに偏るだろう…じゃ、ほかの所でお返しを、母が受けているであろう親切をほかの人にしようと思った。そして、「喫茶スマイル」の呼びかけを知ったのだ。あれから8年余(母が施設に入ったのも同じ期間だ)「ボランティアな人々」との交流は続いている。