クラウドコンピューティングの本質

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1004/22/news006.html

2010年04月22日 08時00分 更新[伴大作,ITmedia]の記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、クラウドは過去に登場してきたシステムとは全く違うもので、各社の情報システム部門の存続を左右するインパクトが大きいものなのだから心得よ!っ的内容。

この記事の内容でもっとも注目すべきものが以下にあります。

「ネットワークの進化はクラウドが普及する十分条件である。それまで独立していた個々のコンピュータは、数えきれないほどのインターネットに接続されたサーバにアクセスできるようになった。それらのサーバ上には特殊なミドルウェアが搭載され、クライアント側にあたかも1つのコンピュータにアクセスしているかのように見せる技術が誕生した。その機能や性能は、個人や企業が所有するコンピュータのレベルをはるかにしのぐ。」

もう高性能のサーバを自社で持つ時代ではなくなった事を非常に良く、説明している内容であるといえる。
要は、ネットワークの進化に伴って、それを並列に稼動させるミドルウェアなどの登場などにより、一台で処理するより、複数でそれも膨大な台数で分散処理を行えば、高性能サーバを遥かに凌ぐ性能を生み出すと言っている。

これは、インフラ構成次第で、高性能サーバでインフラを組み立てるより、安価に出来、且つ、簡単に凌駕しうる物を作れる事を指している。
クラウド・コンピューティングのもっとも恐ろしく、今までとは違うのはこの点であるし、これに「必要な時に、必要な分を利用する」が加わると、確実にクラウド・コンピューティングが注目されるのは当たり前の事である。

上記にあるように、歴史的にネットワークが進化した故に、必然的に出てきた技術であると言えるという事になる。
という事は、この技術は、かなり高確率で今後のIT開発で主流になるものだという事になる。
もっと言えば、パラダイムシフトが確実に起きているという事になる。

また、記事の著者はこうもも書いている。

「情報システム部門の多くは依然として、SNSやブログ、公的機関の情報開示、iTunes Store、Google、Amazon、Twitterなどのサービスを「Web2.0症候群」ととらえており、コンシューマー向けサービスだと考えている。

しかし現在は、多くのサービスがクラウド上で動いている。クラウドはトランザクション処理のコストを劇的に引き下げている。サービスの遮断やセキュリティの細かな事故はあるものの、情報漏えいのような大きな出来事は今まで聞こえてこない。

クラウドの実力は情報システム部門が考えているより頑健であり、コスト削減効果も大きい。IT戦略を考えるべき経営者は、この事実を認めなければ失格だ。クラウドに疑問を抱いている情報システム部門には、「クラウドの現実を直視しなさい」というメッセージを送らざるを得ない。」


「Web2.0」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/Web_2.0

要するに、多くの情報システム部門(正直、私はIT業界全体だと思うが)が考えている以上に頑健だし、それ以上に費用対効果も大きく、費用の削減が計れるぞという事である。
クラウド・コンピューティングの現実をそろそろ直視してないといけませんよと言うことである。

どうしても次から次に出てくるIT業界の技術は、よくバズワード化しやすい。故に、直ぐに飛びつかない心情もわかるし、クラウド・コンピューティング?となり眉唾なのは解る。
しかし、このクラウド・コンピューティングの技術は、今までの集積された技術の集大成でもあり、積み上がり登場してきた技術である。
クラウド・コンピューティングという言い方は、今後、変化したとしても決してこの集約されていく概念は進化する。
要は、無視し得ない技術であるということである。
ビジネスモデルとして既に存在しているのである。

最後に、著者は以下の様に書いている。

「情報システム部門の予算は一般に売上高の2%程度と言われている。売り上げが伸びない今、経営者にとって情報システム予算の圧縮も視野に入れざるをえない。よほど特殊なアプリケーションやニッチで誰もSaaS化しないシステムでない限り、クラウドに積極的に取り組むことは、情報システム部門が生き残る唯一の方法なのだ。」

この売上が伸びない不況化でシステム予算の圧縮は、必然的物である。するとシステム導入予算では、高額なものは導入できるわけも無く、その部門の存続も危なくなるだろう。
ならその低い予算で以下に高レベルのシステムを作るかを考えるならクラウド・コンピューティングの仕組みは無視できない。
今、これを考えないと生き残れないといっている。

では、開発者は?
今、一過性の流行だからで済まされるIT用語ではない事を知るべきであると思う。