日立情報、Amazon S3に障害監視、通報を付加できるサービスを開始

http://japan.zdnet.com/news/internet/story/0,2000056185,20412329,00.htm

2010年4月19日 18時07分 ZDNet Japan Staff の記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、日立情報システムズが「Amazon Web Servicesが提供するストレージサービス「Amazon S3」に日立情報の監視、通報サービスを組み合わせた「BusinessStage EX-Storage on Amazon S3」の提供を開始すると発表」と言うそのままの内容。

「日立情報システムズのBusinessStage」の紹介ページ
 ↓
http://www.hitachijoho.com/recommend/businessstage/

「BusinessStage EX-Storage on Amazon S3」の紹介ページ
 ↓
http://www.hitachijoho.com/solution/outsourcing/exstorage/index.html

日立情報システムズ(日立情報)が、ビジネスクラウドサービス「BusinessStage」のパブリッククラウド活用サービスの第一弾として、Amazon Web Services(AWS)が提供している「AmazonS3」に日立情報の監視・通報サービスを組み合わせたものを提供すると発表したとあります。

これって、なかなかAWSを受けたかったが、英語の説明ばかりでちょっと導入に難色を示していた日本企業には、かなり朗報であると言えるでしょう。

そもそもAmazonS3とは、なんぞやとなりますが、上記の日立情報システムズの解説と引用するなら

「Amazon S3はインターネット上のストレージをレンタルするサービスで、初期費用なし、従量課金、容量無制限などの特長があります。」

と言うことになります。
要するに、インターネットを介してAmazonが提供するストレージサービスの事をさします。
内容は、引用文にあるとおりです。

「AmazonS3(Simple Storage Service)」についての詳細は、以下参照。
 ↓
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/operation/aec2s3_1/aec2s3_1_01.html

そもそも日立情報は、「クラウド型のサービスとユーザー占有リソース型アウトソーシングサービスの特長を備えたビジネスクラウドサービスであるBusinessStageを開始」していたそうで、今回、「ストレージサービスをより早く、より低コストで利用したい」とのニーズに応えるためにAmazonS3を採用したそうで、合わせて同社のサービスも組み合わせて提供するそうです。

このサービスの魅力は、他にも実は「Amazon S3サービスを利用する際に必要となる英語サイトでの申し込み手続きの代行」などがあり、やや一般企業での同AmazonS3の導入の敷居がやや低くなるのではないでしょうか。
他にも以下のようなサービスもあり、日本一般企業のインフラのストレージ導入には、欠かせないものが多く補助的にある。

「カード決済の支払い代行による銀行振り込み、請求書での決済といったことが可能になるほか、日立情報の監視基盤を活用した監視、通報サービスの利用、ストレージサービスを複数の利用者で使用する場合の領域単位でのアクセス権設定といったことが可能になる。」

ある意味、日立情報がAmazonS3の代行サービス的役割を担い、且つ、その監視及び通報も行うのであるから今までその辺りの仕組みを考慮しておく必要があったのが、かなり労力としての削減が見込めるようである。

そもそもAmazonS3は、米国のシリコンバレーのスタートアップ企業では、当然のように使われているデフェクトスタンダートなサービスであり、自前で持つ様に初期設備投資が掛からないと言うメリットがあり、インターネットに接続さえすれば何処ででも使えるものである。
それを今回、大手ベンダーである日立情報システムズが代行して行うと言うのは、非常に大きな意味があると言ってよい。
容量もクラウドの「必要な時に必要なだけ」の例に漏れず当然のように大容量でも可能であるから、非常に魅力的なサービスとなっている。

同「BusinessStage EX-Storage on Amazon S3」のサービス価格は、以下の通り。

「従量課金制のAmazon S3利用料(AWSの提供価格と同額)に加え、付加サービスとして日立情報が提供する基本サービスの利用料が1件あたり月額1万500円。例として、バックアップ容量が1日あたり5Gバイト、バックアップ周期が1日1回、バックアップ保存期間180日、リストア頻度が月1回のケースの場合、月額約2万5500円になるという。その他、オプションサービスを利用する場合は、オプション料金が別途必要となる。」

と言うことである。

$yamasan007の勝手にクラウド・ニュース解説!-BusinessStage EX-Storage on Amazon S3
※日立情報システムズ「BusinessStage EX-Storage on Amazon S3」振込み/決済の図

サービス内容と金額の換算での費用対効果を考える必要は当然あるので、パブリッククラウドだから有効であるとは言わないが、従来の融通性の利かない自前のストレージを持つよりは、断然有利にに働くのではなかろうか?

まぁ、このように大手ベンダーもついにAmazon Web Services(AWS)を展開し始めたのだが、実際のところ私は、暗澹たる思いもある。
まだ、これは大手ベンダーが噛んでいるので、いいのだが本格的にAmazonが乗り込んできたら一体この先、日本のIT業界はどうなってしまうのだろうか。
Googleも昨今は、企業展開を本格的にやり始め、セミナーを随所で行うと言う。
当然、日本でも各所で開かれるであろう。その時、日本のIT企業は、どう対処すべきであろうか?

日本は、じっくりと状態を見極めて行動するから何てことは無いと嘯くのもいいだろう。しかし、ホントにそれで対応ができるのだろうか?
今回のクラウド・コンピューティングの狂想曲に関して言えば、とても私はそうは思えない。

一時期、WindowsOSが登場した時、日本で6割近いPC市場を持っていた某大手企業は、自己の技術に固執するあまりに互換性に掛けてしまい、ついには市場を他の大手企業に塗り替えられると言う失態を犯してしまった。
且つ、OS市場では、日本で独占を許してしまうと言う事になった。

結局は、見極めなどドックイヤーと言われるIT業界では、無理な話である。
そんな悠長な考えで、このクラウド・コンピューティングの大波をやり過ごそうと言うのが、土台無理な話ではなかろうか?

まぁ、何でもかんでもクラウド・コンピューティングに乗っかれとは言わないが、せめてクラウド・コンピューティングの情報には敏感になり、今の主流となっているものをしっかりと握っておくくらいは重要な事だと私は思っている?