オープンソースCRM社、SaaS基盤としてビットアイルの「アプリケーションオンデマンド」を採用

http://www.rbbtoday.com/article/2010/04/14/67084.html

2010年4月14日(水) 13時15分RBB TODAYの記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、「ビットアイルは14日、オープンソースCRM社が、取り扱う商用オープンソースCRMソリューション「SugarCRM」のSaaS提供基盤として、ビットアイルのアプリケーションベンダー向けクラウドパッケージ「アプリケーションオンデマンド」を採用したことを発表」と言うそのまんまの内容。

「ビットアイル」のHP
 ↓
http://www.bit-isle.co.jp/

「ビットアイル」の上記記事のプレスリリース
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http://www.bit-isle.co.jp/entry_af/graphs_dev/17/0/entry_af.627/press_bit-isle_aod_opensourcecrm_100414.pdf

「アプリケーションオンデマンド」は、ビットアイルのアプリケーションベンダー向けクラウドパッケージ
 ↓
http://www.bit-isle.jp/service/detail/39

「オープンソースCRM社」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://www.osscrm.com/

「SugarCRM」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/SugarCRM

上記のリンク先にある「LAMP」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/LAMP

記事の内容は、上記にあるようにオープンソースCRM社のSaaS型顧客管理ソフトの「SugarCRM」の提供基盤として「アプリケーションオンデマンド」を採用したとある。

$yamasan007の勝手にクラウド・ニュース解説!-アプリケーションオンデマンド図
※アプリケーションオンデマンドの特徴

そもそも、「アプリケーションオンデマンド」とは何?ってことだが、上記のリンク先の説明にこうある。

「アプリケーションベンダー様は、自社アプリケーションのオンデマンド化(SaaS化)における以下のような問題を解決できます。

・標準化された基盤がない
・アプリケーション課金モデルがない
・アプリケーションのSaaS化対応のための大幅な改修コスト
・課金やライセンス管理などの追加システム開発コスト
・最大の利用状況想定して構築されるサーバ・ネットワークなどインフラのコスト
・アプリケーション販売に関するパートナービジネスモデルがない
・クラウド基盤活用・運用ノウハウがない
・継続的な運用サービスのノウハウがない」


要は、アプリケーションベンダーのパッケージ販売をSaaS型で行おうと言う仕組みのようだ。
その販売形式の根底には、パッケージ販売のビジネスモデルの変化がある。

「プライベートクラウドの普及やSaaS利用の拡大は、これまでの事業モデル(提供モデル、収益モデル、インフラを含めた基盤の構築、契約・課金業務など)の大きな変化をともなうものとなっている。」

その変化を支援する仕組みとしてビットアイルは、基盤として、「アプリケーションオンデマンド」を提供していると言う。

特徴としては以下がある。

・実績ある既存技術を活用したアプリケーション提供クラウド基盤
・パッケージアプリケーションをほぼ改修せずにオンデマンド化が可能
・インターネット経由でのアプリケーション提供および社内構築サーバへのアプリケーション配信の両方に対応
・Bit-isleのクラウド基盤“Cloud ISLE”によるサーバリソースの提供


また、主な機能は以下。

【ポータル機能】
  アプリケーション購入
  プランの変更・追加
  試用版の利用
  リソースの追加
    ※最短数分での利用開始
  利用プランの確認
  請求書発行

【アプリケーション管理機能】
  アプリケーション登録
  販売プラン作成
  リソースの割当(自動化)

【顧客管理管理機能】
  利用者の管理
  契約・課金管理
  請求書発行
  代理店管理


アプリケーションベンダーとSaaSの普及は、実際は、相反するものだが、そうも言ってられない状況なのかもしれない。
ましてやオープンソースCRM社でも、もはやパブリッククラウドを無視できない存在となりつつある。
大きな利点は、やはり以下にあるようだ。

「顧客企業は、ポータルにて利用申し込み後数分でSugarCRMのオンデマンドサービスの利用開始が可能。利用ユーザー数の変更やディスク領域の拡張などのプラン変更・追加をポータルから変更操作するだけで自動的に実行が可能となっている。また稼働環境とセットになった試用版の提供(申込み後数分で利用開始可能)により、手軽にトライアル実施をすることもできる。」

非常に、顧客目線での利便性を追求しているようである。
オンデマンドサービスとしてのサービスとしての視点を良く理解していると言える。

「オンデマンド」とは何?って方は、以下参照。
 ↓
http://e-words.jp/w/E382AAE383B3E38387E3839EE383B3E38389.html

以下では、機能面での有効性を述べている。

「顧客企業向けポータルと連携した専用管理ツールの顧客・契約・課金管理機能より、煩雑な事務作業の多くが不要となり、顧客・契約管理などの業務担当者の作業工数の50%以上の削減を実現した。さらに、提供プランの作成や顧客・契約・課金管理の仕組みをアプリケーションオンデマンドが提供するため、管理用システム開発投資が不要となっている。さらに、「アプリケーションオンデマンド」は、シングルテナント型のパッケージアプリケーションをそのままオンデマンドサービス化することが可能となっている。」

煩雑な事務作業が無くなり、顧客・契約管理などの業務作業工数を50%以上削減とあり、数値化してあるのでより解りやすい。
機能面での有利な点は、更にプランでいくつかあり、そのまま「アプリケーションオンデマンド」が提供する為、管理用システム開発投資が不要にすることも可能のようだ。そう言う意味では、非常にメンドウな開発工程が無くなり、機能面での導入がしやすいと言える。

オープンソースCRM社は以下の様に今回の導入について述べている。

「利用顧客の利便性を高め、かつ事業収益性を高めることで自社のオンデマンドサービスを強化するのが目的だとしている。今後既存のオンデマンドサービス契約先の環境をすべて「アプリケーションオンデマンド」へ移行する予定とのこと。」

より高度なオンデマンドサービスを行う必要が出てきている現在、同オンデマンドサービス契約先の環境を同基盤に切り替えていくと言うことになるのでしょう。また、

「オープンソースCRM社は、会計システムなどオンプレミスのシステムや、SaaS型で提供されているビジネスインテリジェンスやECサイトシステムなどと連携するサービスも展開予定だ。」

とあり、オープンソースCRM社が持ちうる、SaaS型で提供されているものは、順次、連携できるようにサービスを開始する模様。

やはりパッケージ販売である会社もクラウドへの流れには、逆らえないようである。
時勢は確実にパブリッククラウドの時代になりつつあるのだろう。
とは言え、今までのパッケージでの収益に依存していた企業も早々にビジネスモデルを変える事も出来ないのだから、一歩づつ、何かを変える布石を打っておくと言うことか課も知れない。

しかし、この「アプリケーションオンデマンド」と言うクラウド基盤は、なかなかの代物のようにも感じられる。
顧客からの申込から契約そして、管理をバックエンドでしつつ、課金管理から請求書発行まで順次行うのだから良く考えられている仕組みであると言える。この自動化の仕組みはなかなか無いのではないだろうか?

どちらにしろ複雑ではあるが、基盤としては優れた機能を持ち合わせているようであるので、オープンソースCRM社としては間違っていない選択ではないだろうと思う。

こう考えてみると日本企業にも随所に良いものがあるのだが、どうしてだろうかなかなか世界へと出ることが出来ないようである。
海外目線での展開力が無いのか?
それとも、日本の商習慣が特異の為、海外に合わないのか。。
その辺は、ちょっと解らないが、今後のパブリッククラウドになるとそうもいえなくなってくるだろう。
いかにして、この様な日本的ではあるが、非常に極めの細かい機能を保持した基盤を持ち、且つ、技術とサービスを持った日本のIT企業が世界に向けて発信できるクラウドサービスが登場することを望んでならない。