※CloudCrowdのロゴマーク
「お仕事版SaaS。大いに注目を集めるCrowdFlowerに追随してCloudCrowdが登場」に思う事。
http://jp.techcrunch.com/archives/20100319cloudcrowd-outsources-labor-to-the-cloud/
2010年3月22日TechCrunch JAPAN by Leena Rao の記事。
<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>
ザックリ書きますと、米国で「CrowdFlower」が行っている仕事をSaaSとして扱おうというもので、詳しくは「定型的な繰り返し作業をクラウドを利用してアウトソーシング」するクラウドサービスというものがあり、それが注目を集めていて、その同じようなサービスを「CloudCrowd」が始めましたよってな内容。
上記のような、サービスをLaaS(Labor As A Service)と名乗っているらしい。
正直、「LaaS」など初めて聞いた定義で、ちょっとビックリしました。
そもそもは、twitterで何気に見ていた情報にあった記事で読んでいてサービスとは何かを考える良い切っ掛けになったのでブログに取り上げさせて貰う事に。
その前に、以下に対象の「CrowdFlower」と「CloudCrowd」についてのリンク記載しておきます。
「CrowdFlower」のURLです。
※因みに英語ですので、Google Chromeブラウザの翻訳機能使うと日本語で読めます。
↓
http://crowdflower.com/
「CloudCrowd」のURLです
※同じく英語です。
↓
http://www.cloudcrowd.com/
さて、この「SaaS」なのだが、サービスとは何かを考える上で、非常に貴重な提言を見せてくれている。
日本のクラウド業者は、どうしてもサービスを機能と言う側面で見てしまう。
それは、どういうことかと言うと、非常にシステム的だということ。
例えば、顧客が要求する物があるとすると「何がしたいですか?欲しいですか?」という様な聞き方になっているということで、顧客のしたいことを聞き出そうとする。
要件定義では、ままあることで当然な事ではあるのだが、クラウドサービスを提唱するならば、そうではエンドユーザーの求める物は得られないだろうと言うことである。
サービスとは、「結果として何が出て欲しいのか?」でユーザーに問いかけなくてはならないということである。
上記の「LaaS」と称するサービスは、正にそのエンドユーザーが欲する結果が何なのかを提示しているといえる。
「CrowdFlower」と「CloudCrowd」は、エンドユーザー(労働者側)に労働と賃金を提示する仕組みをサービスとして提供し、もう一つのエンドユーザーである雇用者側にその費用削減としてのアウトソーシングの仕組みをサービスとして提示している。
具体的な内容は、以下に抜粋して見ると…
「CloudCrowdの利用者が業務を投稿すると、CloudCrowdは100,000人を超えるネット上の作業者に作業を割り振る。作業達成毎に信用度を上げ、その状況によって割り振られる作業の内容が決定される。つまりあまり評価の上がっていない作業者には簡単な作業が割り振られ、評価が上がればより高度な作業も任されるようになるというわけだ。作業毎の報酬は事前に確認でき、支払いはPayPal経由で行われる。」
非常にサービスの仕組みをシステムとして考えるのではなく、どのような要求があり、どのような結果を求められているのかを理解した上で、クラウド上に上記内容に適合したシステムを構築している。
機能=サービスではないということになる。
非常にコンサル的要素の強い内容であるが、今後、このようなサービスを提示出来る事がSEとしては重要なアドバンテージになることは確かだろうし、必ず、その波はやってくることをこの「LaaS」なるサービスは示している。
日本のSEの多くは、機能=システムをそのままエンドユーザーに提示している気配があり、サービスとはそもそも何ぞやというのが、すっぽり抜けてしまっている。
確かに、ERPの財務会計(=制度会計)などは、そのサービス自体が実は、ほぼ固まっているからシステム=機能=サービスとあまり考えずに一貫した流れで製造できると言う物があった。
今も殆どがそうで、システム=サービス的になっており、SEは製造されるシステムのUI(USER INTERFACE)とAP(Application)の整合性を合わせる役目になっているが、今後このやり方がほんとに通用するのかは、非常に疑わしくなってきている。
UI(USER INTERFACE)って何?って方は、以下参照。
※SEなら知っていて当然ですが…復習として。
↓
http://e-words.jp/w/E383A6E383BCE382B6E382A4E383B3E382BFE383BCE38395E382A7E383BCE382B9.html
先に書いているが、『サービスとは、「結果として何が出て欲しいのか?」でユーザーに問いかけなくてはならない』を早く勝ち取り、理解したものが、旋風の如くやってくるだろうクラウド狂想曲の本演奏に最後まで生き抜く者になる。
このクラウド・コンピューティングの裏に隠れているサービスとは、一体何者なのか、ボンヤリとして解り難いと逃げていると確実に日本のSEは、単なるインフラとサービスを繋ぐ、単純労働者に成り下がるかも知れない。
そんな変革がもしかしたらクラウド・コンピューティングにはあると言うことを常に持ち、システム開発者は、今後の開発のあり方を考えておかなくてはいけないのではないでしょうか?