平尾､大八木ら日本代表の選手を擁した同志社の戦力は充実し大学三連覇は確実と言われていた。私も疑わなかった。ところが慶応がスクラムで同志社を圧倒しだし、後半試合の行方はわからなくなってきた。斉藤直樹レフェリーは慶応松永から村井へのパスをスローフォワードと判定してノーサイドとなった。10-6で同志社の勝利。松永のパスがスローフォワードでなかったならゴール真下へのトライで同点。慶応が勝っていたといわれている。先日BS放送であった日本最古のラグビー定期戦100回記念番組から再考してみた。問題のパスはボールを追っていてはわからない。違うアプローチをしてみた。長辺方向に伸びる選手の陰から考えてみる。

画面上で選手の身長方向とこの近傍での水平線方向に置いては縮尺が同一と考えていい。松永のすぐ左にいる同志社児玉の背は160センチやが私の画面では50ミリ。松永がパスしたとき、彼の陰先端からゴールまでの水平長さは85ミリ。よって距離は2.7m。村井が球を受けた時の陰はゴール上。これから投げた松永と受けた村井の前後差は2.7m。しかし二人の頭の高さの修正をしないといけない。

松永は浦野に太ももを取られた分少しかがんでいる。しかし上体は起きている。頭の位置は村井よりどのくらい低いか。身長の差を併せても20センチ程度やろう。この20センチを上方に修正すると陰はこの時間5倍になって1m伸びるのみ。全然届かない。球と頭の位置関係は同じような物。計測誤差を考慮してもスロウフォワードであろう。

もっと感覚的に考えようか。松永がパスした時、村井はざっと2mほど後ろにいる。これが平行パスとする。球が空中にあるあいだ村井は2mしか走らなかったのか。パスタイムを考慮してもありえない遅さと思う。50mを7秒として1秒に7m走る。彼はいいスピードで入ってきてゴールに飛び込んでいる。村井の2位置3.7mから推定するとパスタイムは0.5秒程度であろう。

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1985年1月初旬 ラグビー大学選手権決勝 同志社対慶応 松永のパスはスローフォワードだったか

1985年1月初旬ラグビー大学選手権決勝　同志社対慶応　松永のパスはスローフォワードだったか